限定正社員ってどんな働き方?
2013年、アベノミクスの成長戦略の一つとして盛り込まれた『限定正社員』という働き方。導入を通じて、非正規雇用のキャリアアップの機会創出、仕事と育児や介護との両立などが期待されている制度です。しかし、実際のところ「限定正社員って何だ?」と思っている方がほとんどなのではないでしょうか。そこで今回は、最近耳にする機会が増えた限定正社員について解説します。今後求人情報で目にすることの増える可能性があるこの働き方。入社してから「こんなハズじゃなかった…」という事態にならないように、メリット・デメリットを知っておきましょう。
■そもそも、限定正社員って何なの?
『多様な正社員』、『ジョブ型正社員』と呼ばれることもある限定正社員。一般的に正社員の場合は、残業や転勤、職種転換なども起こりえますが、限定正社員の場合は、勤務時間、勤務地、職種が契約で限定されます。つまり、「地域限定正社員」として契約されれば転勤はありません。勤務時間、勤務地、職種のうちのいずれか、もしくは複数の雇用条件が限定されている働き方を、限定正社員と呼びます。
「それって、契約社員や派遣社員と何が違うの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんね。契約社員や派遣社員は雇用期間が定まっているのに対し、限定正社員の雇用期間は特に定まっていません。厚生労働省の調査によると、約50%の企業で限定正社員という働き方を導入しており、特に銀行や小売業、飲食業などで多いといわれています。
■限定正社員のメリットとデメリットとは?
一見、“正社員と非正規雇用のいいとこどり”のように感じるかもしれませんね。しかし、一方で「限定正社員は解雇になりやすい」といった噂を聞いたこともあるでしょう。では、なぜそのような話が出るのでしょうか。限定正社員のメリット・デメリットを整理してみましょう。
【限定正社員のメリット】
・転勤することなく働くことができる(地域限定の場合)。
・職種転換がないので、一つの仕事を究めていくことができる(職種限定の場合)。
・残業ナシで働くことができる(勤務時間限定の場合)。
・一般的に、正社員と同等の福利厚生を受けることができる。
【限定正社員のデメリット】
・仕事や職場環境にマンネリ化してしまう可能性がある(職種・地域限定の場合)。
・契約で定めた仕事や勤務地がなくなってしまうと、解雇の対象となる可能性(※)がある(職種・地域限定の場合)。
※…たとえば、技術職の仕事がなくなってしまった場合、正社員であれば営業職や管理部門への配置転換があり得ますが、職種限定正社員の場合、仕事がなくなってしまえば解雇の対象となる可能性が生じてしまいます。
以上が限定正社員についての解説です。もし志望する職種が限定正社員としての募集だった場合は、今回紹介したメリット・デメリットを見極めたうえで応募するようにしたいですね。きちんと自分の将来と照らし合わせて、新しい環境を見つけることをオススメします。