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退職引き止めを避けるポイントや引き止めにあった際の対処方法をご紹介します。退職したい本人と、大事な社員に抜けられると困る会社。退職に伴う引き止めが起こるのも当然のことなのかもしれません。けれど、いつまでも引き止めの交渉につき合うのは避けたいもの。ぜひ対処方法をご確認ください。

退職引き止めの対処法|スムーズに退職するためのポイント。

退職引き止めの対処法|スムーズに退職するためのポイント。

転職活動が順調に進み、このままいけば内定がもらえそう。しかし、退職を切り出しても上司は「考え直してほしい」の一点ばり。このままでは入社時期が合わなくて内定がもらえなくなるかも。

そんなときに役立つのがこのページです。なぜ会社は退職しようとする社員を引き止めるのか。引き止めを上手に避ける方法とは。もし引き止めにあってしまったらどうすればいいのか。スムーズに退職して次の一歩を踏み出せるよう、引き止めにまつわるさまざまなポイントをご紹介します。

既に退職意思を固めた方も、これから退職するかもしれない方も、ぜひ参考にしてください。

1.会社が引き止めを行なう理由

引き止めの背景にあるものとは

社員が抜けるのは会社にとって大きな痛手。重要なポジションに就いている人材はもちろん、これからキャリアアップを目指していく層の人材が欠けるのも好ましいことではないのです。

では、社員の退職によってどんなデメリットが発生するのか。この項目では、引き止めが行なわれる理由についていくつかご紹介します。スムーズに退職するためにも引き止めが起こる背景を知っておきましょう。

会社へのデメリット

会社の一員として事業を支えている以上、一人ひとりの社員は何らかの役割を持って働いています。組織のマネジメントを任されていたり、プレイヤーとしての役目を背負っていたり。誰もが組織に欠かせない存在なのです。そうした人材が抜けることにより、組織運営には大なり小なり影響が出てきます。

もちろん、過剰人員を抱えて経営している企業であれば大きな問題にはならないのかもしれませんが、そうでない企業のほうが大半です。退職者の業務をほかのメンバーに任せれば、既存社員が業務過多の状態に陥ってしまうことも。一人の退職が引き金となって次々に退職……なんてことになれば、会社は大きなダメージを受けてしまうのです。

そこで採用による人員補充をすることになるのですが、人材採用にはコストも時間もかかります。しかも、新たに入社する人材が退職者と同等のスキルレベルを持っているとは限りません。それに、スキルがあったとしても会社が変われば働き方も違ってくるもの。職場に順応するまでには少なからず時間がかかるでしょう。たとえ採用できたとしても、一時的に生産性はさがってしまうのです。

また、採用した人材を育成する場合、既存社員を使って教育していかなければなりません。このように、社員の退職は職場にさまざまな影響を与えるのです。

上司へのデメリット

部長であれ、課長であれ、上司は会社から組織運営を任されています。部下を管理する立場である以上、会社から『部下の退職=自身の管理能力不足』と評価されてしまう可能性もゼロではありません。また、メンバーの退職によって上司が描いていた組織運営のプランが狂ってしまうこともあります。

たとえば「中堅層の社員が抜けたため、マネジメントの時間を現場の育成に回さないといけなくなった」「そろそろ部下を持たせたい社員がいたのに、メンバークラスの社員が抜けたため経験を積ませられなくなった」など、退職の影響はさまざまです。社員の退職は、会社はもちろん上司にとっても好ましくないものだといえるでしょう。

本人へのデメリット

自分では「退職の決断は間違っていない」と感じていても、他人から見ればそうは思えないケースが意外とあります。特に、今の仕事や職場に不満を感じて転職する場合は要注意。『隣の芝生は青く見える』ということわざがあるように、他社の環境は良く見えがちです。

部下が抱えている問題が転職によって解決できると思えなければ、本心から「キミのためにならないから思い留めたほうがいい」と引き止める上司もいるでしょう。「嫌なことから逃げているだけじゃ、環境は変わってもキミは変わらないぞ」「環境を変えるだけで活躍できると考えているのか」など、部下の成長を思って耳の痛い話をする上司もいます。

こうしたアドバイスは自分のためになることもあるため、最初から『引き止め=会社や上司の都合』と決め付けるのは危険です。転職に迷いがあるときは、上司から客観的な意見を聞いてみるのも一つの手といえるでしょう。

2.引き止めを避けるには

タイミングと退職理由が肝心

ここまでの項目で、社員の退職が会社にデメリットのあるものだとご理解いただけたかと思います。そのため、引き止めを避けるには組織にかかる負担を極力少なくするのが大事なポイント。上司が納得する退職理由を伝えるのも引き止めを防ぐことにつながります。

退職意思を伝えるタイミング

民法では2週間前までに労働契約の解約の申入れ(退職届)を提出するように定められていますが、会社によっては「退職希望日の1ヶ月前までに申し出ること」などと決められていることもあります。その場合は、就業規則などの取り決めに沿って申し出ると話がスムーズに進むでしょう。

ただし、退職をするとなると会社側は業務の引き継ぎや人員補充などの計画を立てなければなりません。申し出から退職希望日までの期間が短ければ「引き継ぎが終わるまで待ってほしい」「新人が採用できるまで退職されては困る」などと引き止められる可能性が出てきます。

こうした事態を避けるためにも、ムリのない退職スケジュールを組んでおくのが大切なポイントといえるでしょう。担当業務やプロジェクトの引き継ぎにかかる期間を考慮する、退職日が繁忙期と重ならないようにするなど。会社への影響が極力少なくなるように配慮するのが重要です。具体的なタイミングとしては、少なくとも退職希望日の2ヶ月前には伝えておくことをおすすめします。

納得度の高い退職理由とは

まずは好ましくない退職理由からいくつかご紹介していきます。避けるべき退職理由は、会社への不満や批判。業務量や残業の多さ、人間関係への悩みなどは引き止めにあう可能性が大。「業務量を調整するから残ってほしい」「残業が減るように効率化していこう」「職場を変えたからといって馬の合わない人がいないとは限らないよ」などと引き止められるかもしれません。

また、上司は部下を管理する立場です。ハードワークを理由に退職されてしまっては、自らの管理能力を会社から疑われかねません。そのような理由で退職を申し出た場合、上司が保身のために退職を引き止める可能性があることも知っておくといいでしょう。

では、いったいどのような退職理由が適切なのか。それは、やはり前向きな内容が感じられる理由です。会社への不満や批判といったネガティブな内容は、退職理由を聞く人にとっても気持ちの良いものではありません。仮に引き止めに応じて退職を思い留まったとしても、会社に不満を募らせて退職しようとした事実は残るため職場での居心地は良くないでしょう。逆に、相手が応援したくなるような理由を述べることができれば好印象を持って受け入れてもらえる可能性は高くなるでしょう。

その例として挙げられるのが、キャリア観点での退職理由です。今の会社では得られない経験が積める企業への転職であれば、自分にやりたいことがある旨をきちんと伝えるといいでしょう。新しい会社への転職が本人にとって最適な選択だと感じてもらえれば、退職を惜しむ気持ちはありつつも、最終的にはあなたの挑戦を応援してくれるはずです。

3.引き止められてしまったら

ケース別の引き止め対策

退職希望日まで余裕のあるスケジュールで退職意思を示し、退職理由も前向きなものを伝えた。それでも「どうか思い留まってくれないか」と引き止められることもあります。そこで、この項目ではケース別の対処方法をご紹介。引き止められたときに取るべき行動を知っていれば、実際に引き止められた際に困ることはありません。ぜひ参考にしてください。

「キミは会社にとって必要な人材なんだ」

引き止めの常套句の中でもオーソドックスなもの。いわゆる“情に訴えかけてくる”ケースです。自分が必要だといわれて嫌な人はいませんし、頑張りが認められていたんだと嬉しい気持ちにもなるでしょう。

しかし、こうした引き止めを受けた際は一時的な感情に流されず冷静に対処するのが大切です。一度気持ちを落ち着かせ、「自分がなぜ退職を決断したのか」について振り返ってみてください。決意が変わらないようであればハッキリと断りましょう。

「給料を上げるから残ってくれ」

収入への不満を退職理由とした場合、このような言葉で引き止められることが考えられます。

しかし、引き止め時に提示した条件が守られないケースも少なくありません。口約束の場合はうやむやにされる場合がありますし、「社内での調整が長引いていて」と結論を先延ばしにされることもあるでしょう。交渉を長期化させて退職を諦めさせるといった可能性もゼロではないですから、相手の話を鵜呑みにするのは避けたほうが無難です。

また、給与アップの打診が一時的な昇給である可能性も。自分の望みが叶わないようであれば、会社からの申し出をキッパリと断るようにしましょう。

「後任が見つかるまで待ってほしい」

人員に余裕がない職場に良くあるケースです。人手不足を理由に退職日の後ろ倒しを打診されます。

こうしたときは「退職日までに引き継ぎが終わるよう最大限の努力をします」などと誠意を見せつつ断るといいでしょう。後任を採用してから引き継ぎになる場合、採用活動が予定通り進むとは限りません。採用ができなければ引き継ぎもできませんから、結果的に退職日がズルズルと延びてしまうことに。

あらかじめ退職日までに余裕のある日程で退職意思を伝える。上記の引き止めがあったら誠意を示しつつ退職日の後ろ倒しを断る。こういった対応を取りましょう。

「ムリなく働ける方法を一緒に考えよう」

こちらは、給料アップと似た引き止め方。業務量が多い、残業が多いといった退職理由を述べた場合、それらを解消することによって退職を思い留まらせるのが狙いです。

対処方法は給料アップのケースと同じで構いません。口約束が守られなかったり、一時的な問題解決にしか過ぎなかったりする可能性もありますので、納得できる話でなければしっかりと断りましょう。

「環境を変えて頑張ってみないか」

「やりたいことがある」「人間関係が上手くいっていない」などと伝えたときに多いのが配置転換を使った引き止めです。

転職先でやりたい仕事、あるいはそれに近しい仕事が社内でできる場合、社内異動をすすめられるケースがあります。また、人間関係を退職理由とした場合も同様です。「配属先のチームを変更するから、そこでもう一度頑張ってみては」と諭されることもあるでしょう。あるいは「周囲との関係で悩まないように私がしっかりフォローする」などといった話が出る可能性も。

こうした引き止めには、自社の仕事では自分の希望を叶えられないと主張するのが大事。退職以外の選択肢がないことを伝えましょう。

「もう少し続けてから考えてみては」

「今の仕事が自分に合っていない」「仕事が面白くない」などといった場合、「もう少し経験を積んでから判断したほうがいいのでは」という答えが返ってくるケースがあります。現職での経験が短いのであれば上司の提案にも一理ありますし、継続力や忍耐力を養う点でも再考の余地が出てくるでしょう。

そういった意味では、上記の退職理由は適切でないのかもしれません。まずは上司の話を受け止め、次の職場でどのような仕事をしたいのかを改めて考えてみましょう。

「辞めたら顧客に迷惑がかかる。損害賠償を請求するぞ!」

極端な話かもしれませんが、いわゆる“脅し”をかけてくるパターンもないとはいい切れません。しかし、こうした言葉は同調せずに聞き流してしまいましょう。いけないのは“脅し”を真に受けてしまうこと。退職によって会社に迷惑がかかるのは事実ですが、この場合は社員よりも会社に問題があったとみなされます。

 

ここまでご覧になってみていかがでしたでしょうか。退職は、本人にとっても会社にとっても負担がかかるもの。それだけに、スムーズに退職するためにはそれなりの配慮が必要なのです。もし「会社を辞めたい」というときがきたら、このページで知ったことをぜひ実践してみてください。

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