冬のボーナスをもらってから退職・転職するのはアリ?
ビジネスパーソンにとって、楽しみの一つであるボーナス。一般的に、冬のボーナスは夏よりも多くもらえる傾向にあるため、高額商品の購入や海外旅行などに充てようと考えている方も多いのではないでしょうか。また、心機一転1月からの環境を変えるべく、ボーナス支給後の退職・転職を検討し始める方も少なくありません。そこで今回は、冬のボーナスをもらってからの退職・転職を考えるうえで、知っておきたいことについてまとめてみました。
冬のボーナス支給後の退職・転職は、後ろめたい気持ちになるかも?
まず、なぜボーナスが支払われるのかを考えてみましょう。一般的には、[評価期間のパフォーマンスに対する報酬]と[今後への期待]と言われています。つまり、企業によってはボーナスに「今までありがとう」と「来期もがんばってほしい」というメッセージを込めているのです。そのため、ボーナス支給後の退職に「裏切られた…」と感じる企業も少なからずあるでしょう。理論上は、これまでの働きに対する評価だからボーナスをもらってから退職しても気にしなくてもいいわけですが、円満退職を目指すのなら企業側の心証は考慮しておきたいところです。
冬のボーナス自体が、支給されないケースもある?
「円満退職をしたいので、ボーナス支給日前に退職の意向を伝えよう。そして、支給日後に退職しよう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、気をつけていただきたいのはボーナスをもらえるかどうかは企業によって異なるということです。企業によっては、退職手続き中の社員にはボーナスを支払わないということを就業規則で定めているところもあります。
詳しくは在籍している会社の就業規則をチェックしていただきたいのですが、ポイントは、
●支給日に在籍している必要があるのか?
●退職手続き中でも支給されるのか?
●賞与額の計算方式が明文化されているか?
の3つ。ボーナスについては労働基準法で定められていないため、在籍企業の支給ルールを確認しておくことが何よりも重要なのです。
冬のボーナスをもらって退職すると、転職先のボーナスが少なくなる?
在籍している企業のボーナスのことばかり考えてしまいがちですが、転職先のボーナスについても考えておきたいところです。
たとえば就業規則で「退職の申し出は、退職の1ヶ月前までに」と定められている場合。12月中旬にボーナスをもらって、その後退職の意向を上司に伝える。1ヶ月の引継ぎ期間を経て、2月には転職先で働き始めることができます。しかし、転職先での夏のボーナスの評価期間が10月~3月だったらどうでしょう。評価期間が2ヶ月のみでは、減額されてしまうのは明らかです。企業によっては、支給の規定として「勤務期間●ヶ月以上」と定めているところも少なくありません。今の環境で満額もらうか、転職先で満額もらうかの判断は人それぞれですが、退職・転職のタイミングによって変動するということは知っておきたいですね。
「マイナスイメージを抱かれる可能性がある」、「場合によってはもらえないケースもある」、「転職先でのボーナスが減額となる可能性もある」…ボーナスと転職活動の関係は意外と複雑です。大切なのは、自分のなかに明確な判断軸を持つということ。何を最優先するかによって、判断のタイミングが変わってくるからです。上記の3つのポイントが、判断軸を持つ上での参考になれば幸いです。
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