作業療法士ってどんな仕事？

作業療法士(OT)は「食べる、入浴する、モノをつくる」など、生活するうえで必要な機能の回復、また作業を通して心のケアも行なう仕事です。あまりなじみがないかもしれませんが、作業療法士の力を支えにしている人は少なくありません。そこで今回は、作業療法士について解説。資格取得の方法、理学療法士との違い、活躍の場などをご紹介します。

作業療法士になるには？

作業療法士の養成学校で3年以上学び、国家試験に合格することで作業療法士免許が取得できます（養成学校には大学・短大・専門学校があります）。海外で作業療法士の養成学校を卒業した人、あるいは免許を取得した人は、所定の手続きにより日本の国家試験の受験資格の取得、または日本の免許へ書き換えることが可能です。

資格取得後は、専門作業療法士、認定作業療法士としてキャリアアップすることも。自分の適性に合わせてステップアップしていけます。

理学療法士と作業療法士の違いは？

作業療法士も理学療法士同様リハビリテーションのプロです。理学療法士が「立つ・歩く・寝転ぶ」などの基本動作の回復訓練を行なうのに対し、作業療法士は「指を動かす・食事をする・入浴する」など、日常生活を送る上で必要な機能回復をサポートします。

もうひとつの違いは、身体面だけでなく、子どもの発達障がいや、加齢に伴う障がいなど、精神面に対するケアも行なうこと。社会で当たり前に生活できるように、作業を通して関わっていくのです。

作業療法士の活躍の場は？

作業療法士はどういった環境で活躍しているのでしょうか。代表的なところを下記にまとめてみました。

●病院(総合病院、一般病院、精神病院、診療所 等)
●介護保険関連施設(老人保健施設、通所または在宅リハビリテーション施設 等)
●福祉施設(肢体不自由児施設、身体障がい者福祉センター 等)
●教育・研究機関(大学院、養護学校、作業療法士養成校 等)

ちなみに、医療の分野では主に理学療法がある程度進んだ人を引き継いで関わっていくケースが多いようです。また、地域に目を向けると介護予防事業での活躍が期待されており、特に認知症予防の分野にニーズが広まりつつあります。

以上が、作業療法士についての解説です。国家試験の合格率は70%～80%台なので、勉強すれば合格は可能だといえます。興味を持った人はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。