×

記事の概要を見る

裁量労働制の仕組みと、裁量労働制の会社で働く上で知っておきたいポイントをご紹介します。クリエイター系や企画系の仕事で導入されることが多くなってきた、裁量労働制について学んでおきましょう。転職活動で求人情報を見る際にも、きっと役立つはずです。

裁量労働制とは?

裁量労働制とは?

求人情報を見ていると、勤務時間の項目で目にすることのある「裁量労働制」の5文字。裁量?どういうこと?と疑問に思う方が多いかもしれません。フレックスタイムや自宅勤務制度など、多様な働き方が増えてきた近年、「裁量労働制」という働き方も広まってきました。一体どんなものなのか、こちらで確認しておきましょう。

■裁量労働制とは、どんな働き方なの?

裁量労働制とは、仕事の仕方や時間配分などについて、会社から指示されるのではなく、労働者本人が決定できる制度のことです。決められた時間に出勤し、何時まで働くというルールはなく時間に縛られずに働くことが可能。また、実際の勤務時間が何時間であろうと、労使協定で定めた時間分は労働したものとみなして、賃金計算が行なわれます。

つまり、時間に縛られない働き方。自分もそんな働き方がしたい!と思ったかもしれませんね。しかし、裁量労働制は決められた仕事にしか適用されないのです。その仕事とは、業務の性質上、何時から何時まで働くという業務時間をあらかじめ決定することが難しい分野のもの。「専門業務」と「企画業務」の2種類に分かれますが、それぞれどのような仕事が対象になるか見ていきましょう。

[1]専門業務は19業務に限定されます。

(1)新商品もしくは新技術の研究開発
又は人文科学若しくは自然科学に関する研究の業務
(2)情報処理システムの分析又は設計の業務
(3)新聞もしくは出版の事業における記事の取材若しくは編集の業務
(4)衣服、室内装飾、工業製品、広告等の新たなデザイン業務
(5)放送番組、映画等の制作におけるプロデューサー又はディレクター業務
(6)広告、宣伝等における商品等の内容、特長等に係るコピーライター業務
(7)情報処理システム活用のシステムコンサルタントの業務
(8)照明器具、家具等の配置に関するインテリアコーディネーター業務
(9)ゲーム用ソフトウェアの創作の業務
(10)有価証券市場における証券アナリスト業務
(11)金融工学等の知識を用いて行う金融商品の開発業務
(12)大学における教授研究の業務
(13)公認会計士の業務
(14)弁護士の業務
(15)建築士(一級建築士、二級建築士及び木造建築士)の業務
(16)不動産鑑定士の業務
(17)弁理士の業務
(18)税理士の業務
(19)中小企業診断士の業務

上記のような専門分野に特化した職業群は、「専門型裁量労働制」が適用されます。たとえば研究開発職の仕事の場合、毎日8時間、1ヵ月働いたとしても、確実に新商品や新技術が生み出せるわけではありませんよね。逆にアイデアが閃けば数日で商品開発に繋がることも。「費やした時間=成果」ではない――。そういった内容の仕事に限定されています。

[2]企画業務型の例

「企画業務型裁量労働制」が適用されるのは、企業経営・事業運営に直接影響するような企画立案・調査・分析などの仕事を行なう職種です。主に会社の管理部門に適用されます。企業の経営に直結する企画や分析業務は、世の中の動き、自社、競合他社など多岐にわたる調査を必要とし、仕事の成果もレポートや計画書など多様。やはり時間単位で成果が見えにくいため、裁量労働の対象となっています。

■裁量労働制で知っておきたいポイント

▼深夜・休日手当がある。

時間に縛られない裁量労働制ですが、深夜10時以降~翌日の朝5時までの時間帯と、法定休日に労働をした場合は、法律で定められた割増賃金が支払われます。深夜で2割5分以上、休日では3割5分以上の割増賃金となります。だからといって深夜や休日を狙って働くことは、会社から指導を受けるはずです。

▼時間外手当が発生する場合もある。

裁量労働制の注意点

1日の法定労働時間は8時間と決められています。その8時間を超えて、みなし労働時間が設定されている場合、時間外手当が発生します。しかし、みなし労働時間が7.5時間の場合は、法定労働時間を超えていないため、たとえ10時間働いても時間外手当は発生しません。

上記が裁量労働制の仕事をする際に、知っておきたいポイントです。また労働時間が個人の裁量に任せられる以上、徹底した自己管理が必要となります。生活が不安定になったり、出社時間が不規則で同僚や社外のクライアントに迷惑をかけないよう、注意しておきたいですね。

関連する記事
これからの時代、どんな会社を転職先に選ぶ?20代の転職で大切にしたい「成長機会」と「仕事価値観」

変化が激しく、先行きが見えない時代。 どんな会社に、どんな軸で転職するか。とくに20代での転職で気になるのが「将来のキャリア」について。 職…

資格があれば、転職も安心!転職のプロがおすすめする資格一覧

いつか転職するかもしれない。そのときに、確実なスキルの証明書となるのが「資格」です。漠然と資格があったほうがいいのではないか……と考えている…

労働基準監督官ってどんな仕事?

  労働基準監督官という仕事は、果たしてどのような仕事なのでしょうか。労働基準監督官という仕事内容や、労働基準監督官になる方法等を…

歯科技工士の年収って?

歯の矯正器具やさし歯などを作成する歯科技工士。当然ですが、高い技術と専門知識が求められる仕事です。では、歯科技工士の年収はいくらぐらいなので…

保育士の給料っていくら?

子ども好きな方であれば一度は検討するのが保育士の仕事。通信教育などで資格を取得できることもあり、比較的チャレンジしやすい職業の一つだといえま…

自動車整備士の年収って?

自動車整備工場や自動車メーカー、カーディーラーなどで自動車の整備を行なう自動車整備士。「機械いじりが好きだ」という方にとっては、まさにうって…

栄養士の給料っていくらなの?

栄養士という職業を耳にしたことはありますか?「聞いたことはあるけどどんな仕事をしているのかわからない」というのが本音なのではないでしょうか。…

介護士の年収ってどれくらい?

高齢化社会で注目度が高まっている職種のひとつ、介護士。需要のある仕事だということはイメージできるかもしれませんが、思い切ってチャレンジするに…

労務管理士とは?資格を取得しようと思ったら?

  労務管理士という資格を耳にしたことはありますか?国家資格かのように思われることもありますが、実は各団体が独自に認定する民間資格…

義肢装具士ってどんな仕事なの?

腕や脚を失った方々にとってなくてはならない存在のひとつだといえる義肢装具士。具体的にどのような業務を手がけているのか、ご存知ですか?今回は、…

転職ノウハウ
転職ノウハウ