中小企業の定義と就職・転職するメリット
仕事探しをするうえで、大きな判断材料になりうる会社の規模や知名度。「せっかくなら、規模が大きくて、誰もが聞いたことのあるような会社で働きたい」という方も多いのではないでしょうか?しかし、誰しもが大手企業の選考を通過して内定を得られるというものではありません。希望が叶わず、大手企業から中小企業へ選択の幅を広げて…という方もいらっしゃるでしょう。では、なぜ中小企業は転職者の第一志望になりづらいのでしょうか。中小企業には、大手企業で働くことに勝るメリットはないのでしょうか。今回転職大辞典では、「求職者の方たちに中小企業で働く魅力が知られていないのではないか?」という仮説を立ててみました。理由は、中小企業で毎日イキイキと働いている方たちがいるから。彼ら・彼女らがいる限り、必ずや中小企業には働く魅力があるはずです。大手企業ばかりに人気が集まる今の転職マーケットに一石を投じるべく、中小企業へ就職する魅力を探ってみます。
中小企業の定義。-ほとんどが中小企業だって知ってた?
まず初めに理解しておきたいのが、中小企業の定義についてです。中小企業庁のHPによると、中小企業の定義は以下のとおりになっています。
ただし、気になるのは国内でどれだけの企業が中小企業なのか、ということですよね。2013年発表の中小企業庁の調査によると中小企業数(会社数+個人事業主数)は約385万社、全企業数に対する割合はなんと99.7%となっています。つまり国内のほとんどが中小企業なのです。
それでも、なぜ大手企業を志望するのか。
なぜ求職者は世の中でほんの一握りである大手企業への転職を志望するのでしょうか。
規模?知名度?給料?…さまざまな要因が考えられますが、一ついえるのはいずれも入社した段階である程度約束されたキャリアがあるということでしょう。確かに、将来のキャリアが確約していれば人生設計もしやすいといえます。狭き門にも関わらず、志望者が多いのにもうなずけますね。
しかし、大手企業を志望するのなら、万が一退職を余儀なくされてしまったらどうするのかということは考えておきたいところ。近年、大手電機メーカーでも業績不振を理由に希望退職を募るケースがあります。そうなったときに、自ら新しいキャリアを選択できる力を身につけておけるかどうかが大手企業で働くうえでのポイントだといえるでしょう。
中小企業へ就職・転職することで得られる経験・メリットとは?
では、中小企業で働く魅力について考えてみましょう。確かに、規模や知名度、給料などは大手企業には及ばないかもしれません。しかし、“万が一退職を余儀なくされてしまったら…”ということを想定しておくと、意外とメリットが見つかります。
●自分が会社に与える影響力が大きい。
従業員数1万名のうちの1人よりも、50名のうちの1人のほうが必然的に会社に与える影響力は大きくなります。自分の仕事の会社への貢献度合いを実感しやすいはずです。
●若いうちから責任ある仕事に挑戦できる。
従業員数が少ないため、若くても責任のあるポストに抜擢される可能性はあります。事業を企画して推進していく力、メンバーをマネジメントする力が養われます。
●経営者との距離が近い。
大手企業であれば社長と1ヶ月顔を合わせないこともありますが、中小企業であれば社長と同じ部屋で仕事することも珍しくありません。経営者の近くで、考え方や物の見方を学べます。
●幅広い業務の経験を積むことができる。
大手企業であれば業務が細分化されているため限られた仕事にしか携われないこともあります。中小企業であれば、一人がさまざまな役割を担うので多彩な業務スキルを身につけられます。
いかがでしょう?本人の働き方次第ではありますが、成長しやすい環境が整っているといえるのではないでしょうか。ちなみに、中小企業には知名度は低くても大手企業に匹敵する安定性を有するところも少なくありません。規模や知名度だけにとらわれず、本当に自分の成長につながるのかという軸で転職先を探してみてはいかがでしょう。