経常利益とは?
会社概要や決算書などで目にする機会の多い経常利益という言葉。利益について書かれた項目であることはわかるかもしれませんが、具体的には何を指す数値なのでしょうか?また、似たような言葉に売上高や営業利益などがありますが、それらとの違いは何なのでしょう?そこで今回は、経常利益がどういう指標なのかご紹介。経常利益についての知識を身につければ、求人企業の見方が少し変わるかもしれませんよ。
経常利益って何?
そもそも経常利益とは何を指す数値なのでしょうか。まずは、経営の仕組みから考えてみましょう。たとえばあんパン専門のパン屋さん。あんパンをつくるとしたら、小麦粉、卵、牛乳、あんこなどの材料が必要です。その材料にかかる費用の合計を売上原価といいます。
あんパン1個あたりの売上原価が20円だとして、100円で売れたらそれが売上高です。月1,000個売れると、月の儲けは(100-20)×1000で80,000円。この儲けのことを売上総利益といいます。しかし、材料があったとしても勝手にあんパンはつくられませんよね。パンをつくる人はもちろん、店舗の家賃やパンを焼く設備も必要です。また、場合によっては広告も作成しなければなりません。それらの人件費、光熱費、広告費のことを販売費および一般管理費といいます。売上総利益から販売費および一般管理費を差し引いたものが、営業利益です。仮に月の販売費および一般管理費が30,000円だとしたら、月の営業利益は80000-30000で50,000円ということになるわけです。
ただ、パン屋さんを立ち上げるときに銀行から借り入れをしていて、毎月の返済がある場合は利息も返済することになります。利息のように営業活動以外で発生する費用のことを営業外費といいます。営業利益から営業外費を差し引いたものが経常利益です。営業外費用が月10,000円の場合、経常利益は50000-10000で40,000円ということになるのです。
経常利益って何のために算出しているの?
このように計算がややこしい経常利益ですが、なぜ企業はわざわざ算出するのでしょう。なぜ営業利益だけではいけないのでしょうか。理由は、経常利益が会社活動の総決算となる指標だといわれているからです。営業利益は、本業の業績のみに左右されますが、経常利益は会社の借金や資産運用などによって変動します。つまり、事業全体に関わる数字だといえるのです。そのため、金融機関や取引先企業などは、会社の収益性を図るうえで経常利益を最も重視するといわれています。
以上が経常利益についての解説です。求人情報に記載されていなくても企業のホームページなどをチェックすれば記載されている場合もありますし、上場企業であれば決算書で確認できます。志望企業の収益力を知りたい場合は、チェックしてみてはいかがでしょうか。