責任感をアピールする自己PR例文・ポイント
社会人として数年の経験を積み、自分の強みや長所などを棚卸しされている時期かもしれません。そこでよく迷うのが、履歴書の自己PR欄に何を書くかだと思います。ちなみに自己PRで書かれることが多いのは、「責任感」の強さについてです。
実際、責任感のある人は、安心して仕事を任せられるため、企業から見ても好印象に映ります。ただ、責任感をアピールする人材は多いため、ライバルが多いのも事実。そこで今回は、自己PRにおいて「責任感の強さ」を魅力的にアピールする方法をご紹介します。そもそも「責任感が強い人」とはどのような人物なのか、どのような言葉にすれば効果的に伝わるのか、イチから解説していきます。
目次
1.責任感をうまく伝える4つのポイント
そもそも「責任感」のある人とは?
責任感をひとことで言うと、「目標に向かって努力し続けられる姿勢」だと表現できます。例えば、どんな困難であっても折れずに立ち向かえたり、難しい課題に対しても打開策を見出そうとしたり、そして成果にこだわって継続した働きかけができたり。このように何かのゴールに向かって、主体的に動ける人。企業は、それを「責任感のある人」と捉えています。実際、働き始めた後をイメージしてみてください。企業から見ても、仕事を途中で投げ出してしまうような人は、会社にも顧客にも自社の社員にも迷惑をかけてしまいます。一方で責任感のある人は、会社の業績にも寄与してくれて、周囲にも好影響を与えられるような印象を持つはずです。なぜそもそも企業は、「責任感のある人」を採用したいのか。それを念頭に置いて自己PRを考えることで、より良い内容になるでしょう。
「頑張り」だけでなく「成果」も伝えよう
それでは、どのように伝えれば、責任感の強さを相手に分かってもらえるでしょうか。単純に「私は責任感の強い人間です」「責任感を持って頑張ってきました」と言ったところで、信頼してもらいにくいと思います。大切なのは、成功体験を具体的なエピソードで語ること。そして、そのエピソード内で、頑張りだけでなく成果も伝えることです。
例えば、「営業として月300万円という業績目標を達成するために、努力しました」では、やや不十分。「チームメンバーに協力を働きかけた」「先輩たちを巻き込んで新しいトークスクリプトを作った」という取り組み、そして「月300万円の目標に対して320万円の実績を挙げた」という具体的な成果まで伝えるようにしましょう。それによって、企業側としても入社後の様子を思い描きやすく、「実際に入社しても責任感を発揮してくれそうだ」と感じやすいものです。
「継続性」を意識しよう
企業が考える「責任感」という言葉には、「努力の継続性」という意味合いも含まれます。つまり「主体性を発揮して一瞬だけ頑張った」という人よりも、「諦めずにずっと努力し続けた」という人のほうが印象は良いと言えるでしょう。例えば、あなたが飲食店の店長を務めていたとします。「お店の売上が伸びないため、業績アップのため新しいPOPを作った」という人と、「業績アップのために、新しいPOPを作り、スタッフの接客を見直し、本部へ働きかけてマニュアルを見直した」という人。どちらが好印象かと言うと、後者だと思います。それは、責任感を持って目標に向かって継続的に取り組んでいるからです。責任感は、「継続性」があってこそ。この点をぜひ意識していただければと思います。
注意。単なる「独りよがり」はNGです
責任感という言葉は、良い意味でだけ伝わるとは限りません。というのも、「責任感の強い人は、一人で責任を抱え込んでしまう人なのではないか?」「周囲を無理やり動かすような独善的な人なのではないか?」というネガティブな印象で見られるケースもあるからです。だからこそ、自己PRを書く際はあらかじめそのようなマイナスイメージを払拭できるよう、書き方に注意することが大切だと思います。例えば、「周囲に協力を仰ぎながら」「チームメンバーたちと一緒に」という言葉を添えるだけでも、それが払拭できるでしょう。
2.例文・サンプルを見てみよう
例1.前職が専門商社でのルート営業
私の長所は、責任感の強さだと考えています。そのように感じたのは、繊維の専門商社でルート営業をしていたときの経験がきっかけです。この会社では、扱う繊維が500種類を超え、新人が覚えるのに困難を極め、立ち上がりが遅いという課題がありました。そこで私は、新人がよりスムーズに商品知識をつけられるよう、週1回の勉強会を企画。よく発注の入る商品の特徴をまとめた簡易的なマニュアルも作成し、新人に配布しました。それにとどまらず、現場で新人がうまくお客様と話せているかどうか振り返りも実施。
結果、今までは独り立ちに1年ほどかかっていた新人が、8ヶ月ほどで一人で営業できるようになりました。この取り組みに対して周囲も協力してくれ、今では1つの社内プロジェクトとして、継続した取り組みになっています。御社でも、ぜひ課題があったときは、周囲を巻き込みながら改善に動いていく責任感を発揮できればと考えています。
ポイント
- 「継続性」と「努力の跡」、そして具体的な「成果」がわかりやすく書かれている
- 独善的ではなく、あくまで「周囲の協力も得た」という協調性も伝えている
例2.前職がECサイトの運営スタッフ
私の強さは、人よりも責任感が強いことだと考えています。そのきっかけは、前職での経験にあります。前職では、健康食品のECサイト運営を担当していました。ただ入社当時、商品自体の売上はあまり芳しくなく、サイトへの訪問者も多くない状況でした。私は「商品のPR力向上」という目標を掲げ、サイトの根本的な改善を実施。社内デザイナーと協力しながら、よりターゲット層の女性に響くような優しいデザインに変更しました。そして、導線として大手ポータルサイトへの広告出稿を提案。さらに協力会社のエンジニアとともに、新しいキーワードなどを設定しSEO対策を施しました。結果として売上は前年比180%に伸び、会社としても業績が上向きました。以上より、たとえ困難な課題であっても諦めず、継続して努力できる責任感こそが私の強みだと考えます。
ポイント
- 実際の努力の跡が見えやすく、成果にもつながっていることがわかる
- どんな困難にでも改善に向かう強い「意志」と「主体性」が感じられる
3.「NGな自己PR」とは?
例.前職がアパレルショップの店長
私の強みは、一度決めたらやり抜く責任感だと考えています。そう考える理由は、前職でそのような経験があったからです。前職では、大手アパレルショップの店長を務めていました。一時期、店舗が入っているビルが工事に入る関係もあり、売上が大幅に落ちてしまいました。そのままでは駄目だと思い、少ないお客様でも必ず売上につなげられるよう接客スタッフを厳しく指導。スタッフが個人的な都合で休んで人員不足にならないよう、厳密にシフトを管理しました。結果、数人の退職が出たものの、売上を元の水準まで戻すことが出来ました。たとえ工事が原因での売上縮小だとしても、それも自分の責任だと捉えることで、努力できたと考えています。
NGポイント
- 周囲のスタッフたちに無理をさせてまで自分の考えを通している、という独善性が感じられる
- すべてを自分の責任だと考えてしまい、ストレスを溜め込みそうという印象を受ける
4.最後に
いかがでしょうか。責任感の強さは、正しくアピールすれば転職を有利に進める武器になります。ぜひあなた自身の経験を振り返りながら、魅力的に伝えられるエピソードを探してみてください。
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