面接でキャリアプランや将来の夢を質問された時の答え方(回答例あり)
面接の場でよく質問される「将来の夢」や「将来のキャリアプラン」。実は、企業側はこの質問から合否を左右するほど重要な判断をくだそうとしています。そこで、面接当時にあせらないように企業がなぜ将来の夢や将来のキャリアプランを質問するのかを知り、適切な回答ができるように準備しておきましょう。
目次
1.「将来の夢はなんですか?」と質問されたときの答え方
「将来の夢」を聞かれる理由
企業が将来の夢を質問する理由は、「あなたの自主性やエネルギー量」を判断するためです。
例えば、あなたが企業の採用担当者だった場合、「将来の夢や目標を抱かず、与えられた業務をこなす受動的な人材」と、「将来の夢や目標を抱き、仕事を通じてそれを実現しようと励む人材」のどちらを採用したいと考えるでしょうか。おそらく後者ですよね。
企業側は、将来の夢を質問することで「あなたが自ら目標を設定し、自主的・能動的に動ける人材かどうか」を判断したいと考えています。また、将来の夢は仕事に励むうえでのエネルギー源でもあり、「前向きな姿勢で働ける人材かどうか」の判断基準にもなります。
回答のポイント
仕事に関する夢かどうか。
将来の夢とはいえ、私生活に関する夢に終始してはいけません。あくまで仕事の面接であることを念頭に、「仕事を通じてどのような人間になりたいのか」「仕事を通じて企業や社会にどのように貢献したいのか」などを話すようにしましょう。
企業の考え方とマッチした夢かどうか。
企業には、経営方針やポリシーなどを表した理念があります。将来の夢は自分自身のものなので自由に発言していいのですが、企業の理念に合わなかったり、反するものだった場合は「当社に合わない人材」と判断されてしまう恐れもあります。
その企業だから叶う(叶えたい)夢かどうか。
例えば「仕事を通じて成長したい」という夢なら、どの業界・どの企業でも叶いそうですよね。これでは志望度の高さが伝わりませんので、企業の事業内容や仕事内容をしっかり調べたうえで、その企業だから叶う夢を話しましょう。
回答例
それでは、実際に面接の場で将来の夢を質問されたら、どのように答えればいいのでしょう。ここでは「営業経験者」を例に、具体的なお手本例と失敗例を見てみましょう。
お手本回答例
私の夢は、「ほかの人ではなく、キミと仕事がしたい」と信頼される営業に成長し、お客様や自社の発展に寄与する人材になることです。
御社を志望した理由も、「お客様に満足いただければ、売上は後からついてくる」という顧客第一主義の理念に強く共感したからです。もちろん、営業として売上をあげることの重要性も自覚しています。前職でもお客様の隠れたニーズを引き出すことで、「キミにお願いして良かった」と喜んでいただくと同時に、受注単価の底上げを目指していました。
御社のホームページを拝見したところ、今後は新規顧客の開拓に注力される計画だと知りました。その即戦力として、これまでの営業経験が存分に活かせるものと自負しています。また、御社の理念である顧客第一主義を体現し、御社のファンを増やすと共に、私の将来の夢である「キミと仕事がしたい」と信頼される営業へと成長したいと思っています。
失敗の回答例
私の夢は、営業という仕事を極めて、生活を安定させることです。
人生は、仕事に費やす時間が大半だと言われています。だから、せっかくなら一生懸命に打ち込める仕事がしたいですし、仕事を通じて生活も安定させたいです。
そのうえで、御社の経営は安定しており、かつ福利厚生や休日休暇が充実しています。それに、転勤もないとお見受けしましたので、御社であれば自分の思い描く夢が叶うと思っています。
いかがでしょう。「これでは内定をもらえないだろう」と感じた方も多いはずです。それでは、具体的に「良くないポイント」を見ていきましょう。
私生活に関する夢になっている。
将来の夢は人それぞれですが、採用はあくまで仕事に関する採用の場です。それなのに、私生活に関する夢や希望をアピールするだけでは、当然、採用担当者に「この人材を採用したい」と思わせることは難しいと言えるでしょう。
採用するメリットが感じられない。
企業側は、将来の夢を質問することで「あなたの自主性やエネルギー量」を見極めたいと考えています。だからこそ、自分の希望を伝えるだけでは不十分です。企業にとってどんなメリットがあるのかを意識して、将来の夢をアピールすることが大切です。
2.「10年後のキャリアプランはありますか?」と質問されたときの答え方
「キャリアプラン」を聞かれる理由
企業がキャリアプランを質問する理由は、「あなたの夢や理想を自社で叶えられるかどうか」を判断するためです。
企業側は、入社後に長く定着し、活躍してくれる人事を採用したいと考えています。それだけに、「将来のキャリアプランが自社で実現できそうだ」と判断できれば、入社後のミスマッチや離職のリスクが低い人材、ひいては、将来のキャリアプランを叶えるために前向きに働いてくれる人材だと評価する傾向にあります。
回答のポイント
具体的な内容になっているかどうか。
入社するまでは「やってみなければ分からない」というのが本音でしょうが、面接の場では具体的なキャリアプランを示すことが重要です。その企業で、いつ頃までに、どんな仕事や役職に就いていたいのかを意識してキャリアプランをアピールしましょう。
実現可能なキャリアプランかどうか。
例えば、「1年以内に社内でNo.1の業績を築き、3年以内に社長になります」という現実離れしたキャリアプランを、誰が信じるでしょうか。キャリアプランの達成には、必ず過程があります。掲げた目標をどのような段階を踏んで実現するのかを現実的に考えましょう。
意欲だけでなく行動に移しているかどうか。
「10年後には社長になりたい」という目標を掲げていながら、「今はまだ、会社経営の勉強すら始めていない」という人材を、誰が信用するでしょうか。キャリアプランの内容だけでなく、その実現に向けて行動に移しているかどうかに採用担当者は注目しています。
回答例
それでは、ここでも「営業経験者」を例に、具体的なお手本例と失敗例を見てみましょう。将来の夢について話すよりも、キャリアプランについて話す際は、より具体的・現実的な目標を設定することを意識すると良いでしょう。
お手本回答例
私は、御社が目指している事業戦略(新規顧客の開拓)に向けて、中心的な役割で担う人材になりたいと考えています。
その実現のために、まずはこれまでの営業経験を活かし、営業部の一員としてお客様のニーズを把握することに努めます。同時に、御社の製品・サービスの理解を深めて、お客様に付加価値の高い提案ができるように工夫する所存です。
とはいえ、御社の業界は未経験なので、現在は書籍やネットで独学ながら知識を深めている段階です。また、近いうちに資格取得も念頭に入れていますので、即戦力としてはもちろん、御社の事業戦略の中心人物としても成果を残せるはずです。
失敗の回答例(良くないポイント)
私は、1年以内に社内でNo.1の業績を築き、3年以内に社長になります。
今はまだ、前職での営業経験しかありません。前職のときは、評価制度が整っていないこともあり、なかなか自分の能力が評価されることはありませんでした。
しかし、御社であれば自分の経験を存分に発揮し、会社の中核人材として活躍できると自負しています。3年以内には社長になって御社のさらなる発展に寄与する所存ですので、ぜひよろしくお願いします。
いかがでしょう。「さすがに3年以内で社長は無理だろう」と感じた方も多いはずです。それでは、具体的に「良くないポイント」を見ていきましょう。
実現不可能なキャリアプランになっている。
1年以内に社内No.1、3年以内に社長昇進……現実的に考えて、かなり難易度が高いことは言うまでもありませんね。高い目標を掲げることは良いのですが、それが現実離れしすぎていると、企業も採用するメリットを感じないでしょう。
成果を残せなかったことを会社のせいにしている。
上記では、自分が評価されなかったのは企業のせいだと言わんばかりですが、例えそうだとしても、言い方には注意が必要です。「この人は、入社後の環境に不満を言うだけで自分を変えようとしない」と判断される恐れがあります。
まとめ
将来の夢やキャリアプランが「ない」と答えるのはNG。
いきなり「将来の夢は?キャリアプランは?」と質問されるのと、誰もが驚くものです。だからと言って、「将来の夢はありません」「キャリアプランはありません」と答えるのは、「将来の計画を立てていません」「目標はありません」と言っているのと同じで、また企業の採用担当者も、「この人は計画性がない」「目標がない」と評価しがちです。
企業側も、成長意欲が高い人材を望んでいます。また、あなたにとっても、入社後の成長が叶う環境が整っているほうが、望ましいはずです。ぜひ仕事に対しての姿勢をアピールして、好印象を持たれるように工夫してみてください。
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