ITエンジニアの職務経歴書・自己PRの書き方【例文・テンプレートあり】

ここでは、ITエンジニアの職務経歴書の書き方を伝えていきます。
目次
1.採用担当者は、ITエンジニアの職務経歴書のココを見ている!
採用担当者が見るのはココ!
- 開発実績
- 経験業務(経験がある工程)
- スキル(開発言語、データベースなど)
「開発実績」は羅列するのではなく、要約する形でまとめよう
経験したプロジェクトの数が多くなるほど、読み手がすべてのプロジェクト内容に目を通すのは大変になります。
場合によっては、特にアピールしたい箇所が見落とされてしまうことがあるかもしれません。
読み手の理解を得るためにも「開発実績」は要約して書くことをおすすめします。なお、特にアピールしたいプロジェクトがある場合、1~3件程度であれば詳しく記載しておきましょう。
実績を、積極的にアピールしよう
企業は、単に技術力だけを応募者に期待しているとは限りません。
特に、プロジェクトリーダーやプロジェクトマネージャーなどの上位職募集の場合、技術力よりもプロジェクトをうまく遂行して、きちんと利益をあげることが期待される場合が多いです。
そのため、技術力のアピールはもちろん、プロジェクトの遂行スキルもできる限りアピールしておくと効果的です。
2.ITエンジニアの職務経歴書の書き方のポイント
①プロジェクトの開始・終了年月日および、プロジェクトにかかった期間を記載する
関わったプロジェクトの詳細は、経験・スキルを判断するうえで重要な情報です。長いプロジェクトに携わっているのか、短いものを多数こなしてきているのか、などがわかるよう可能な限り詳細に記載しましょう。
②参画したチームの規模(人数など)も記載する
期間の長さと関連して、プロジェクトに関わる人数も重要な要素です。特にマネジメント等の実績をアピールする際は、何人規模のチームを管理していたのか、きちんと分かるように記載することが欠かせません。
③担当したセクションや習得スキル、関わったプロダクトへの貢献度を具体的に記載する
「開発」とだけ書いてあっても、どんな担当を持ってどんな業務を行なっていたのかが不明なまま。どの立場で、何を任されていたのか。どのくらい重要な立場で関わっていたのか等、具体的な中身まで説明しておくことが望ましいです。
④関わったフェーズ(要件・仕様定義・基本設計・詳細設計・テストなど)を具体的に記入する
開発においては、上流から下流まで、どのフェーズに関わっていたかも重視されるポイント。プログラミング部分のみなのか、要件定義から関わっているのか…等、有するスキルがわかるように明記しておきましょう。
⑤使用した言語やフレームワーク、データベース、OS、ツールなどの環境を具体的に記載する
プロジェクトへのアサインを考える際に、どのツールが扱えるのかは決定的に重要な要素です。各プロジェクトでどんな言語・DB・OS等を用いて開発を行なったのか記載することを忘れないようにしましょう。
⑥成果、お客様との折衝、メンバー教育、リーダー経験など、スキル以外にも経験したことで主張できることがあればアピールする
要件定義やプログラミングなど、開発の本流以外の仕事であっても、折衝や教育などプラス評価につながるものは多くあります。また、プロジェクトの成果なども有効なアピール材料。補足として記載しておくとベターです。
システムエンジニアの職務経歴書の書き方見本
職務経歴
エン・システム株式会社
勤務期間:2012(平成24)年4月~現在 従業員数:122名 雇用形態:正社員 部署/役職:リーダー
職歴概要
●システムエンジニア、プロジェクトリーダー(2012年4月~現在)
[所属歴]
2012年4月 入社、システム開発部に配属
2015年1月 チームリーダーに昇格(部下3名)
■担当プロジェクト
携帯キャリア向け料金業務システム統合(2012年4月~2013年4月)①
■開発規模
・メンバー数/3~10名②
・開発期間/2~15ヶ月
■担当業務③
・UIについてのエンドユーザとのシステム要件の検討、調整
・ベンダーコントロール
・要件定義書作成、エンドユーザへの説明資料などのドキュメント作成
・ユーザサポートおよび障害調査
・システムテスト、性能試験、負荷試験および受入れ試験
■習得スキル③
・ユーザ提案やプロジェクトの進め方などに関わるノウハウ
・J-SOXに関する基礎知識
・モバイル通信の仕組みおよび関連知識
■開発業務⑤
(使用言語)Java、SQL(DB)Oracle(サーバ)Windows2000、WindowsXP、UNIX
■担当工程④
要件定義、総合テスト、保守・運用
■その他実績⑥
・テストツールの導入により、テスト工程の作業効率を15%改善
▶職務経歴書を書くうえでのポイント
- ①プロジェクトの開始・終了年月日および、プロジェクトにかかった期間を記載する。
- ②参画したチームの規模(人数など)も記載する。
- ③担当したセクションや習得スキル、関わったプロダクトへの貢献度を具体的に記載する。
- ④関わったフェーズ(要件・仕様定義・基本設計・詳細設計・テストなど)を具体的に記入する。
- ⑤使用した言語やフレームワーク、データベース、OS、ツールなどの環境を具体的に記載する。
- ⑥成果、お客様との折衝、メンバー教育、リーダー経験など、スキル以外にも経験したことで主張できることがあればアピールする。
エンジニアが職務経歴書でスキルを効果的にアピールする方法
アピールできるテクニカルスキルを有していても、職務経歴書で正しくレベル感を伝えることができなければ採用担当者には伝わりません。
自分の実力を正しく伝えるためにも、テクニカルスキルについて正確に示していくことが大事です。たとえば、下記のように一覧を作り、自分のテクニカルスキルについてアピールする方法が有効です。
活かせる経験・知識・技術例
OS | Windows、UNIX(Solaris)、Limux(Ubuntu)、○○○○○ |
---|---|
インストール、設定、コマンド操作が可能です | |
言語 | JAVA、JAVAScript、VC++、VC#、Python、○○○ |
Pythonは独学ですが、簡単なソースコードを書くことが可能です | |
DB | Oracle、MySQL、○○○ |
JAVA+Oracle、JAVA+MySQL 環境でのアプリケーション開発が可能です | |
その他 | AWS(EC2、RDS)、HP Software and Solutions、Eclipse、Visual Studio、Tomcat、○○○ |
AWSはインスタンス構築からアプリ開発まで一連の経験があります |
3.ITエンジニアの自己PRの例文を紹介!採用担当に響く書き方
自己PRは、これまでどういったキャリアを歩み、そこでどのようなことを身につけ、これからどのようなキャリアを歩みたいのかがまとめられていることが大事です。
またこれまでの経験がどのようにいかせるかが、しっかり記載されているかどうかを確認しましょう。
(1)開発の経験をアピールする例
大学を卒業し、システム開発会社2社で経験を積んできました。要件定義から開発まで一貫した経験があり、管理も行ないつつ開発ができる点が私の強みです。また基幹システムの経験があり、生産管理や顧客管理などの業務知識がある点も強みになります。こういった経験を活かすことで御社のシステム開発に貢献することができると考えております。一度面接のお時間を頂戴できれば幸いでございます。よろしくお願い致します。
ここがポイント
・「要件定義から開発まで」と、関わったフェーズを明記している。特にその中で「管理をしながら開発ができる」という具体的なスキルに言及しているため、活躍できる場面をイメージしてもらいやすい
・「基幹システムの経験があり、生産管理や顧客管理などの業務知識がある」と、経験のある分野、持っている知識を明示しているため、どんなプロジェクトで活躍できるかが分かりやすい
NG例
・どんなフェーズに関わってきたかわからない(「2社でシステム開発に携わり、経験を積んできました」など)
・得意分野や、持っている知識・スキルがわからない(「様々な案件に関わってきた」など抽象的な表現だと、具体的なイメージがわかないためNG)
(2)転職回数が多い場合のアピール例
転職回数が多い場合、それを負い目に感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その背景にある理由に納得感があれば、アピール材料として活用することも可能です。むしろ、様々な環境で経験を積んできたことを「強み」として伝えられれば高評価につながります。
私は、転職回数が5回と多いのですが、その理由はすべてキャリアアップにあります。最初に入社した会社は3次請けでしたが、そこから2次請け、元請けへとキャリアアップを果たしました。これまでの経験の中で、企画段階から保守運用まで全工程を担当できるのが私の強みです。工数管理、外注管理などのマネジメントも経験しているため、できることが幅広くあります。これまでの上流工程経験やマネジメント経験をいかして、ユーザーに近い立場で、業務を意識したシテム開発を行ない、企業をITの面からサポートし事業の発展に貢献したいと考えております。
ここがポイント
・「最初に入社した会社は3次請けでしたが、そこから2次請け、元請けへ」と、キャリアの軌跡・転職の目的をわかりやすく説明しているため、転職回数に納得感がある
・「企画段階から保守運用まで全工程を担当できる」「工数管理、外注管理などのマネジメントも経験している」など、経験社数が多いからこその強みをしっかりとアピールできている
・「ユーザーに近い立場で、業務を意識したシステム開発を行ないたい」と、キャリアアップの文脈に沿って今回の転職理由を明示できているため「なんとなく転々としている」という悪いイメージを持たれづらい
NG例
・なぜ転職回数が多いのか、理由が見えてこない(「これまで5社で開発に携わってきました」だけだと、なぜ転職をしてきたのかが分からず判断に困る)
・転職をしてきた中でどんな経験やスキルが得られたのか明記がない(「これまでの経験を活かして」だけだと、何ができる人で、どんな場面で活躍できるのかわからない)
4. ITエンジニアの職務経歴書の事例
Web系システムエンジニアの職務経歴書
■担当期間
2012年4月~2014年4月(2年間)
■プロジェクト名
BtoBシステム/オフィス用品ネット販売会社(従業員:800名)
大手オフィス用品通信販売会社のカタログシステムにログ機能が無かった為、顧客情報の集約などが出来なかった。そこでテキストファイル形式で保存されるログ機能を追加。
■担当業務
基本設計、詳細設計、実装、試験、導入。顧客のシステム担当者と仕様をつめながらプロジェクトを遂行。
■開発環境
Windows2000、webSphere、Java、Jsp、DB2
■役割および規模
開発メンバー、プロジェクトメンバー3名
■その他実績
プロジェクトではメンバーの教育も担当
サーバ/ネットワークエンジニアの職務経歴書
■担当期間
2012年4月~2014年4月(2年間)
■プロジェクト名
某大手銀行 社内ネットワーク構築・運用業務、6サブネット、500クライアント、サーバ10台
■担当業務
詳細設計、サーバ構築(Mail、DNS、WWW、Proxy)、運用設計、評価(単体・結合)、管理者マニュアル作成
■開発環境
[サーバ]UNIX(Solaris)-WindowsNT
■役割および規模
開発メンバー、プロジェクト要員5名
■その他実績
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