履歴書の資格欄・免許の正しい書き方|書く順番や勉強中の場合は?
履歴書の資格欄は、重要なアピールの場。今回は転職活動で外さない履歴書の「資格欄」の書き方を伝授します。
1. 履歴書の資格欄の正しい書き方
【鉄則その1】取得年月日順に書こう!
鉄則その1は取得年月日順に書く」という点。受験した日や交付された日ではありません。免許証や合格証に取得日が記載されていますので、取得年月日順に書きましょう。
【鉄則その2】資格の名称は正式名称を書こう!
「普免」であれば正式名称の「普通自動車第一種運転免許」を書くことが鉄則です。
「英検」や「漢検」、「宅建」、「FP」「秘書検定」「MOS」「大型免許」などはすべて、普段略称で語られている資格。なじみのある言葉ではありますが、必ず正式名称を用いるように注意しましょう。
また、民間資格は資格名称と併せて実施団体も記載することがマナー。「簿記」の場合は「簿記検定」ではなく「日本商工会議所簿記検定」と書くのが正式です。注意しましょう。
【鉄則その3】応募先の業務に関係する資格を書こう!
履歴書の資格欄は、自身の志向性をアピールする項目でもあります。そのため、あまり応募した業務と関係のない資格ではなく、関係のある資格を書きましょう。
2. 運転免許・資格欄の正しい書き方見本(サンプル)
持っている資格No.1!?運転免許の書き方
履歴書に記載する仕事関連の資格が特にない場合には、持っている運転免許を書くだけでOKです。
忘れがちなのが、「第一種」という言葉の記載。第二種(旅客運転)とは違うことを明確にするために種類を正確に書くことが大事です。
マニュアル免許(MT)が必要な職場でない場合は、「(AT限定)」を省略し、上記のように「普通自動車第1種運転免許 取得」として構いません。敢えて記載したい場合は、以下のように記載しましょう。
例)平成○年 ○月 普通自動車第一種運転免許(AT限定) 取得
また、自動車運転免許の場合、「交付日」ではなく左下の方に書いてある「取得日」を記載しましょう
【問題】下記の資格欄の書き方で、不適切なところは?
まずは、こちらのサンプルをご覧ください。
西暦と元号を混在して書いている場合、企業の採用担当者は「ケアレスミスが多い人だ」と評価するかもしれません。
「秘書検定」の資格名も正式な「秘書技能検定」に修正する必要があります。
主な資格の正式名称
下記に、転職においてよく使用される資格の正式名称を記載しておくので、ぜひ参考にしてください。
資格 | 正式名称 |
---|---|
MOS | Microsoft Office Specialist |
漢検 | 日本漢字能力検定 |
英検 | 実用英語技能検定 |
珠算 | 日本商工会議所珠算能力検定 |
全国珠算教育連盟珠算検定 | |
秘書検定 | 秘書技能検定 |
簿記 | 日本商工会議所簿記検定 |
初級シスアド | 初級システムアドミニストレータ |
宅建 | 宅地建物取引士 |
普通自動車免許 | 普通自動車第一種運転免許 |
普通自動車二種 | 普通自動車第二種免許 |
大型免許 | 大型自動車免許 |
大型第二種免許 | 大型自動車第二種免許 |
3. 【要注意】書くべき資格、書かなくてもいい資格
書くべき資格の例と理由
「資格が多すぎて記載しきれない」「どんな資格であれば履歴書に書くべきか判断できない」というときは、「国家資格」「語学資格」「普通自動車免許」「パソコンスキルの認定資格」の4つをおさえておくとよいでしょう。
国家資格
これまでの職歴を証明するものにもなるため、志望する職種・業種を問わず、記載をオススメします。記載方法としては、資格については「○○試験合格」、免許については「○○免許取得」と記載します。同じ資格で複数の級に合格している際は、一番上級のもののみを記載しましょう。
語学資格
TOEICをはじめ、語学系の資格は企業に歓迎されるものの1つです。ただし、応募した会社における基準のチェックは必要。一般的にビジネスで求められるのは600点以上、外資系だと700点以上とされています。それ以下だと、逆に語学スキルの無さをアピールしてしまうことになるかもしれません。
普通自動車
普段から運転している・していないに関わらず、免許をお持ちの際には必ず記載するようにしましょう。業務と直接関わりの無い場合においても、今後のキャリアなどで活かせるケースもあります。
パソコンスキルの認定資格
MOS(Microsoft Office Specialist)をはじめとしたパソコンスキルの認定資格をお持ちの際は、記載いただくことをオススメします。パソコンスキルのある人材はどんな業界においても重宝されるため、自己PRにもつながります。
人気の資格は、書いても仕方がない?
比較的取得が容易な(と思われている)秘書技能検定3級や日本漢字能力検定3級、実用英語技能検定準2級などは、採用担当者も「またこの資格か…」と見慣れている節もあり、書いていてもあまり意味がないようです。
TOEICが、逆にマイナスに働くことも。
英語力を測るものとして、スタンダードになっているのがTOEIC。英語力のアピールにも繋がるものですが、注意したいのが所持しているスコア(点数)。
一般的に、ビジネスで活用できると判断されるのは600点、国際色の強い外資系企業で求められるスコアは700点といわれています。企業にもよりますが、500点台以下のスコアだと「あまり英語力がない人」と逆効果になることも。明記を義務付けられている場合以外は、書かない方が懸命でしょう。
また、TOEICのスコアに有効期限はないものの、スコアが記載された公式認定証が再発行されるのは、最終受験日から2年以内。そのため、原則的に2年以内のスコアを記載するようにしましょう。
「資格取得に向けて勉強中」と書いてもOK?
今は持っていなくても、取得に向けた勉強をしているのであれば書いても問題ありません。特に、応募している職種に関連する専門資格の取得に向けて勉強している場合、向上心のアピールにつながります。記載する場合は、その点も意識すると良いでしょう。
ただし、虚偽の記載はいけません。まったく合格の見込みがない資格などについて書くのはやめましょう。取得予定や受験時期が分かっている場合は記入し、意欲があることを具体的に伝えられるとベターです。
履歴書に書ける資格がない場合はどうしたらいい?
「特になし」と記載しましょう。資格欄はあくまで自己アピールの追加要素的な場です。資格欄を空欄のまま提出するのは避けるべきですが、無理に埋める必要はありません。
「合格」「取得」の使い分けは?
何気なく使いがちな「合格」「取得」ですが、実はそれぞれ意味が異なることを知っていましたか?
「合格」は、合格証が交付されるもの。英検、簿記検定、ファイナンシャルプランナー、医療事務など、一定の基準を満たして手に入る技能検定や民間検定について使います。
一方、「取得」は免許証が交付されるものに使用します。自動車の運転免許や税理士・弁護士免許、危険物取扱者など、その資格がないと業務が行なえない、いわゆる「業務独占資格」に使います。
違いをしっかりと認識し、使い間違えないよう気をつけましょう。
そのほか、ちょっとした小ネタ。
たとえ業務に直結しなくても、面接の場での会話のネタにするために、ちょっと変わり種の資格を持っていたら、資格欄ではなく「特技欄」に記載しましょう。たとえば、「日本酒検定」や「世界遺産検定」など。好奇心や向学心のアピールになるかもしれません。
4.まとめ
いかがだったでしょうか。資格欄はうまく活用できれば、書類選考や面接でのいいコミュニケーションツールになります。マナーやルールを守りながら、あなた自身の工夫を凝らしてみてください。