賞与の計算方法って?
賞与が支給されたときにビックリしたことのある方は少なくありません。事前に上司から提示されていた金額と受け取り額に想像以上の差があるからです。
では、なぜ提示額と受け取り額に差が出るのでしょうか。賞与も給与と同様、控除されることが法令で定められています。社会保険や所得税などが天引きされる仕組みになっているのです。しかし、控除項目は給与とは若干異なります。そこで今回は賞与の計算方法について解説。どのように賞与が控除されるのかをご紹介します。
賞与の控除項目とは?
賞与の手取り額を知るために、まずは控除される項目を知っておきましょう。
賞与から控除されるのは、社会保険といわれる「健康保険」(40歳以上は「介護保険」含む)・「厚生年金保険」、「雇用保険」、「所得税」です。ちなみに、給与とは異なり、住民税は控除されません。
賞与の控除その1|社会保険料の計算方法は?
社会保険は健康保険料と厚生年金保険料の2つですが、賞与額から1000円未満の額を切り捨てたものに保険料率を掛けたものの半分が控除されます(残りの半分は会社負担)。
ちなみに、保険料率は都道府県により異なり、全国健康保険協会のサイトから確認をすることができます。気になる方は、チェックしておきましょう。
賞与の控除その2|雇用保険料の計算方法は?
雇用保険は給与の計算と同じ計算で算出されます。具体的な計算式は、[賞与額×5/1000]です。
ただし、農林水産、清酒製造の事業、建設の事業に従事されている方の保険料率は6/1000になります。
賞与の控除その3|所得税の計算方法は?
所得税の計算はちょっとややこしくなります。以下の流れで進めていきましょう。
[1]前月の給与明細を用意し、給与額を確認します。
[2]前月の給与額から前月の社会保険料と雇用保険料を引きます。
[3][2]で出た金額と扶養親族等の数を「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」に基づき、税率を確認します。
[4]賞与額から今回の賞与への社会保険料と雇用保険料を差し引き、その額に上記[3]の税率を掛けます。
※[1]~[4]の流れで進め、算出された額が控除される所得税の額です。
以上が、賞与の計算方法です。賞与は給与の控除の方法と異なるので、会社側で控除額が間違っていたという事例もあります。大事な賞与で思わぬソンをしないために、しっかり自分で計算して確認するようにしたいですね。