転職を繰り返すのはアリ?
「転職して入社した会社が想像以上にハードだった…」、「自分のやりたいことができない…」「人間関係がうまくいかない…」、そういった状況に直面したときに脳裏に浮かぶのは、再びの転職という選択肢です。では、転職を繰り返すこと(ジョブホッピング)はキャリアにどのような影響を与えるのでしょうか。また、日本ではポジティブに受け取られることは少ないジョブホッパーですが、海外ではどうか。一緒に考えてみましょう。
■ジョブホッピングとキャリアビルディングの違い。
ジョブホッピングについて語られるとき、類義語として挙げられるのが「キャリアビルディング」です。まずは両者の違いを知るところから始めてみましょう。
キャリアビルディングとは、言葉のとおりキャリアの形成を目的とした転職。計画性があり、収入もしくはポジションがアップする、という特徴があるといわれています。
一方ジョブホッピングとは、2~3年以下のサイクルで職を転々とする人のこと。キャリアビルディングと異なり、収入アップやポジションアップといった明確な目的のないまま転職を繰り返している人を指します。退職する理由はさまざまですが、特に人間関係を挙げる人が多いようです。「海外ではフツーでしょ?」と思うかもしれませんが、実は欧米諸国でも仕事をコロコロ変えるという意味の「job-hopper(ジョブホッパー)」にはネガティブな意味合いが強いようです。
■なぜ転職を繰り返す人(=ジョブホッパー)はネガティブな印象を抱かれるのか。
では、なぜジョブホッパーは万国共通でネガティブな印象を抱かれるのでしょうか。理由として考えられるのは、場当たり的な対応をしていると思われるからだといえるでしょう。カンタンにいえば、忍耐力が低いと思われてしまう、ということです。転職を繰り返していることで“計画性が低く、採用してもすぐに辞めてしまう人”というイメージを与えてしまう可能性があるのです(ただし、急病や入社前に公開されていた情報と実態が異なるといった退職せざるをえない場合は除きます)。
ジョブホッパーの退職理由として最も一般的な、人間関係を例に考えてみましょう。転職すれば環境が変わります。環境が変われば、人間関係もゼロからのスタート。自分のことを知らない人たちとコミュニケーションをとっていく必要があります。もちろん、性格の合わない人もいるでしょう。ストレスを感じることはあるかもしれませんが、転職すれば誰もが通る道。そこをクリアできずに転職を繰り返していると、「この人に問題があるのでは?」といった疑問を抱いてしまうことがあるのです。
■転職を繰り返さないためには、どうすればいいのか。
ジョブホッパーが採用されにくいということはおわかりいただけたと思います。では、転職を繰り返さない(ジョブホッパーにならない)ためにはどうすればいいのでしょうか。
まず実践していただきたいのは、転職の目的を明確にするということです。自分のやりたいことは何か、やりたいことを実現するためにはどんな環境が最適なのか、今の環境では何がいけないのか、などを言語化しましょう。「なぜ転職するんですか」と問われたときに明確に答えられるようにしたいですね。
また、入社前に仕事内容、会社の雰囲気などを極力把握するように努めるということも大切です。たとえば、求人情報をチェックする際に仕事内容から“仕事の厳しさ”をイメージしたり、面接のタイミングで「どんなタイプの人が活躍しているのか」を直接聞いたり。思い切って「会社を辞めたくなるときはどんなときですか?」という質問を投げかけてみるのもアリかもしれません。入社後に「こんなはずではなかった」という事態を防ぐために、自分でできる努力はしておきましょう。
以上が転職を繰り返すことで採用担当者に与えてしまう可能性のあるイメージと、ジョブホッパーにならないためのポイントです。転職活動をスタートする前に、自分は転職を通じて何を実現したいのか、きちんと考えるようにしたいですね。