カウンターオファーの意味と、受けたときの対処方法。
「カウンターオファー」という言葉を聞いたことはありますか?一般的には、売り手と買い手の契約において、買い手が契約内容に納得いかない場合、売り手から価格などの条件を修正して再提示することを指します。転職活動におけるカウンターオファーとは、退職を申し出たときに上司から行なわれる引き留め交渉のこと。「給料アップするから」「役職を用意するから」などなど、さまざまな条件を提示され、退職を引き止められるやり取りのことです。もしあなたが退職を申し出たとき、上司に「ボーナスをアップするから辞めないでくれ」なんて言われたら、どうしますか?そこで今回は、カウンタオファーを受けたときに考えたいことと対処方法について解説します。
なぜ、カウンターオファーが行なわれるのか。
まず、なぜカウンターオファーが行なわれるのか考えてみましょう。理由の一つとして考えられるのは、自身の仕事ぶりや人柄が、社内(外)で一定の評価を得ているから、ということです。「この人にしかできない」「この人と一緒に働きたい」というように思われている可能性は大いにあります。
もう一つの理由として考えられるのは、抜けた穴を埋める人の採用、教育にコストがかかるから。退職者と同等以上のスキルを有する人材を採用する(もしくは育てる)よりも、昇給して引き留めたほうがコストがかからない場合などもカウンターオファーが行なわれると考えていいでしょう。
カウンターオファーを受けたら、どうすればいいの?
意を決して申し出た退職願い。しかし、「辞めないでくれ」と言われたら、どうすればいいのでしょう?カウンターオファーを受けたときに考えておきたいポイントをご紹介します。
◇提示された条件で、退職理由は解決できるか。
退職を決意するには、何かしらの理由があります。たとえば、上司とソリが合わないことがきっかけだった場合、給料アップを提示されても申し出を取り下げる理由にはなりませんよね。自分の退職理由に対して、提示された条件が最適な解決策かどうかは見極めたいところです。
◇「一度退職を申し出た人」と見られる覚悟はあるか。
仮にカウンターオファーを承諾して、会社に残るという選択をした場合。「一度退職を申し出たけど、条件を提示されてやめた」という見られ方をして、肩身の狭い想いをする可能性は充分にあります。モチベーションを保って働き続けられるかどうか、きちんと確認しましょう。
◇口約束に留まっていないか。
提示された条件が、口約束だけに留まっていないかどうかはチェックするようにしましょう。仮にカウンターオファーをしてきた上司が異動や退職をしてしまった場合、新しい上司に「そんな話聞いてないよ」と言われたら話はなかったことになります。書面で確認しましょう。
大切なのは、退職の申し出を行なうときも、カウンターオファーを受けて退職しないという選択をするときも、将来のキャリアを見据えて強い信念をもって判断すること。そしてお互いが納得するまで、話し合うようにしたいですね。カウンターオファーを承諾したのに、結局半年くらいで退職してしまったとならないように、何が自分にとってベストな選択なのかを見極めるようにしましょう。