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アルバイトの経験しかない場合の職務経歴書の書き方を解説します。紹介しているのは、アルバイトの経験しかない場合の職務経歴書を書くときの心構えと作成時に意識したいポイント。アルバイトの経験しかなくても、職務経歴書は自信を持って作成しましょう。

アルバイト経験のみの場合の職務経歴書の書き方|【例文あり】

アルバイト経験のみの場合の職務経歴書の書き方|【例文あり】

転職活動をスタートする方の多くが最初につまづくと言われている、職務経歴書。「自分の職務経歴について、何をどこまで書けばいいのか分からない」との声をよく耳にします。その中でも特に悩ましいのが、フリーターから正社員への転職活動を行なうケース。「アルバイトの経験しかないから、特にアピールできることがない…」と頭を抱える方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、アルバイト経験しかない場合の職務経歴書の書き方をご紹介します。職歴がアルバイトのみでも、採用担当者に「この人と一緒に働きたい」と思わせることは充分に可能です。ぜひ参考にしていただき、あなたの魅力が伝わる職務経歴書を仕上げましょう。

 

1.アルバイト経験しかなくても職務経歴書の職務経歴に書いてもいいの?

問題ありません。多くの企業がチェックしているのは、「自社で求める人材に合っているかどうか」だからです。アルバイト経験であっても、応募先の企業に活かせる経験なら、充分なアピールになります。

 

まずは、今までのアルバイト経験で「行なってきたこと」を振り返ってみましょう。たとえば飲食店のアルバイト。接客、売上の管理、新人の指導など、経験したことを詳細に考えてみてください。

 

応募先の企業に求められている人材に合ったスキルや経験があれば、詳細に記載することで、採用担当者からの評価につながります。

アルバイト経験を書いていいのは?

  • 正社員として働いた後、アルバイトとして働き、その期間が長い場合(1年以上)
  • アルバイトを通じて、応募企業で活かせる能力を身につけている場合
  • 派遣社員やアルバイトの求人へ応募する場合

正社員ではなくアルバイトとして働いていた理由を明確にしておこう

正社員ではなくアルバイト経験しかない場合でも、その理由を採用担当者にきちんと説明できれば問題ありません。たとえば、正社員として働いた経験がない理由を聞かれたとしても、「資格取得に向けて○年間頑張ってきましたが、取得することができませんでした。今後は勉強で身につけた△△の知識を仕事に活かしたいと考えています」と説明することができます。

アルバイト経験を書かないほうがいいのは?

  • 正社員から正社員への転職を目指している場合
  • 新卒の就職活動の場合(学生時代のアルバイト経験)

基本的に正社員を志望する場合は、アルバイトとして働いた経験を記載しません。ただし、「アルバイト期間が長い」、「アルバイトを通じて応募企業へアピールできる能力を身につけた」といった場合は別。「正社員としての経験よりも、アルバイトとしての経験に魅力を感じ、内定を出した」という採用担当がいるのも事実です。きちんと記載して、自己PRにつなげましょう。

2.職務経験がバイトしかない場合の職務経歴書のポイント

「どんな業務を行なっていたか」だけでなく「心がけたこと」を盛り込もう

職務経歴書とは、あなたが持つスキルや仕事に取り組む姿勢、仕事の成果を企業にアピールする、重要な書類です。まずは「これまでに経験してきた職務経歴を並べ立てればいいもの」という認識を改めるところから始めましょう。

「そんなことを言っても、アルバイトだと仕事の成果なんて思いつかない…」という方もいるかと思います。そんなときは、仕事をする中であなたなりに工夫をしたこと、大切にしてきたことを思い出してみましょう。担当した業務内容は「飲食店でのホール業務」と一言で済むとしても「そういえば、忙しい人や困っている人を率先してフォローするなど、チームワークを大切にして働いたな」「リピーターのお客様を増やすために、ちょっとした声がけや丁寧な対応を心がけていたな」……など、出てくるはず。そのような要素が、あなたの仕事への取り組み方を伝える上で有効なのです。

また、採用担当者の気持ちになって考えると、職務経歴がアルバイトのみの方を選考する上で気になるのは「この方は組織の一員として帰属意識をもって取り組んでくれるだろうか」「はじめての正社員として責任を持って働いてくれるだろうか」といった点。そのあたりの心配を払拭できるようなエピソードや仕事への姿勢を意識的に盛り込むことで、懸念点を払拭でき、好印象につなげられるでしょう。

アルバイト経験での職務経歴書を書く上で、意識したい3つのポイント!

先ほども述べたように、職務経歴書を通じて採用担当者が抱いているであろう不安を解消することが大切になります。具体的には、以下の3つの観点を押さえておくと好印象につながりやすいです。

  • 正社員として求められる仕事への意欲や責任感があることを示す。
  • アルバイトであっても、応募職種で活かせる経験・スキルがあることをアピールする。
  • 不足しているスキル・経験は、自主的に勉強して補っていることを伝える。

まず「仕事への意欲や責任感」を示すのであれば、アルバイト時代に「自分なりに工夫して仕事を進めたこと」をアピールすると良いでしょう。アルバイトと正社員の違いとして、言われたことをこなすだけでなく、自ら会社に貢献するための動きが取れるか、といった点があります。ですので、アルバイト時代に自ら考えて動いていたことをアピールすれば、好印象につながります。

「応募職種で活かせる経験・スキル」を示すのであれば、まずは応募したい求人で求められる要素を考えてみましょう。たとえば、営業の仕事に応募したのであれば、コミュニケーションスキルが何より大切です。そこでアルバイト時代を思い出し、さまざまなお客様と感じよくコミュニケーションを取り、リピーター増に貢献した…といったエピソードがあれば、アピールするべきです。

また、時には今の自分のスキルより少し背伸びをして応募することもあるかと思います。そのような場合は、正直に「これから意欲的に勉強していく姿勢がある」ことを伝えましょう。採用担当側も、最初からすべて条件に合う人材だけを求めているわけではありません。何よりも「意欲」を重視するケースが多いので、可能性を買ってもらえることも多いです。

これらの観点を意識的に職務経歴書に盛り込むことで、採用担当者に対して「この人はうちの仕事でも意欲的に頑張ってくれそうだ」と好印象を与えることができるでしょう。

3.離職期間中、アルバイトをしていた場合は職務経歴書・履歴書に書くべき?

短期間(12ヶ月程度)であれば、特に記載する必要はありません。ただ、長期間(3ヶ月以上)のアルバイト経験がある場合は、記載しないことで「離職期間が長い」と判断されてしまう可能性があります。

 

3ヶ月以上のアルバイト経験がある場合は、職務経歴書で記載しましょう。応募先の企業でも活かせる経験なら、通常の職務経歴と同じく、詳細に記載することで評価につながります。

 

また、短期間のアルバイト経験であれば、職務経歴書に記載する必要はありませんが、面接時に離職期間について質問されるケースもあります。

 

質問された時は、「短期間のため記載していませんが、◎◎のアルバイトをしていました」と説明すれば問題ありません。離職期間のアルバイト経験が採用の可否に影響する可能性は低いです。

 

4.アルバイト経験の履歴書の職歴欄への書き方

書き方の基本

職歴の書き方フォーマット

実際に職歴欄にアルバイト経験を書くことになったら、どのように記入すればいいのでしょう?記入する場合は、社名のあとに(アルバイト)と書くようにしてください。ポイントは、履歴書を見る採用担当者が「正社員として働いたのか、アルバイトとして働いたのか」を正しく理解できること。履歴書にアレコレと詰め込む必要はないので、シンプルに記入することを心がけてください。

もし履歴書に余裕がある場合は、配属部署名、職種名、仕事の内容を追記しましょう。書ききれない場合やアピールしたいという場合は、職務経歴書に詳細を記入すれば問題ありません。

アルバイト経験しかないが、アピールしたい場合

アルバイト経験も立派な職務経歴です。応募企業で活かせる経験をしてきたのであれば隠す必要はありません。たとえ雇用形態がアルバイトだったとしても、応募企業で活かせる経験なら積極的にアピールしましょう。多くの場合、企業は自社が求める人材とマッチしている人物であるかを見ています。求められている人材と関連するスキル・経験を持っていることを伝えられれば採用担当者にも評価されるはずです。

アルバイトを強調したくない場合

アルバイト経験が短期間の場合、その職歴を履歴書や職務経歴書に記載するかは本人の自由です。ただし、書かないと職歴に空白の期間が生まれるため、その期間について面接で問われることがあります。採用担当者から質問された場合の対応としては「短期間のため記載しませんでしたが、その期間は△△という企業で○○のアルバイトをしていました」と回答するといいでしょう。また、履歴書に記載する場合は、正社員として勤務・離職した旨を書いた下の行に「退職後、○○職として短期間のアルバイトに従事(1ヶ月)」などと記載するようにしましょう。

数年間で短期のバイトをいくつも経験してきた場合

履歴書に1社ずつ記載する方法もありますが、「△△株式会社 他」とまとめて書くこともできます。ただし、採用担当者の多くは「この方は入社後に定着してくれるだろうか」という観点を持って面接に臨むもの。短期間での転職回数が多い場合は、複数の企業で得た経験が応募企業で活かせることをアピールするといいでしょう。転職を繰り返してきたことをネガティブにとらえず、逆にプラスになる面を探して採用担当者に伝えていくことも重要なポイントです。

学生時代のアルバイトの経験を書きたい場合

高校や大学などでのアルバイト経験は一般的には職務経歴とは見なされません。しかし、卒業後に就職しなかった場合や応募企業で活かせるアルバイト経験がある場合は記載するようにしましょう。

5.アルバイト経験のみ職務経歴書のサンプル

伝え方で印象はガラッと変わる!NG例と改善例をご紹介

NG例

【職務経歴】

・ファミリーレストランでのホール業務
(席のご案内、オーダー、レジ対応など)
20**年 *月*日 ~ 20**年 *月*日

・コンビニエンスストアでの接客業務
(品出し、在庫管理、レジ対応、店内清掃など)
20**年 *月*日 ~ 20**年 *月*日

・スーパーマーケットでの接客業務
(品出し、在庫管理、レジ対応、新人バイトの育成など)
20**年 *月*日 ~ 現在も勤務中

NGポイント

  • 大枠の業務概要しか分からず、携わっていた業務のレベル感が見えない。
  • どのような姿勢で日々の仕事に取り組んでいたか分からず、意欲が見えない。
  • 職場を転々としてきた理由が見えず、責任感を持って働いてくれるか不安。

 

改善例

【職務経歴】

・ファミリーレストランでのホール業務(20**年 *月*日 ~ 20**年 *月*日)

◎◎区にある中型規模のファミリーレストランにてホールでの接客を担当していました。
常連のお客様が多いお店だったので、お会計時に「いつもありがとうございます」と
お声がけするなど、引き続き気持ちよく利用いただけるよう努めました。
お客様からも私のお名前を覚えていただけるようになり、接客の楽しさや
ホスピタリティを持って人と接することの大切さを学びました。

・コンビニエンスストアでの接客業務(20**年 *月*日 ~ 20**年 *月*日)
(品出し、在庫管理、レジ対応、店内清掃など)

◎◎駅にほど近いコンビニエンスストアにて接客を担当していました。
通勤通学ラッシュの時間帯は一気にお店が混むので、チームワークを大切に
協力して仕事をすることの大切さを学びました。少しでも効率よく作業ができるように
◎◎や◎◎といった工夫も行なった結果、店舗内で展開されるなど、自分で考えて
動く力も身につきました。

・スーパーマーケットでの接客業務(20**年 *月*日 ~ 現在も勤務中)

◎◎区にあるスーパーマーケットにて接客を担当していました。
これまで同様、お客様へのホスピタリティある対応を心がけていたことはもちろん、
現在は後輩スタッフの育成も担っており、人を育てる経験をさせていただきました。
仕事をする上で大切なポイントはもちろん、自分なりのノウハウを言語化して伝えるのは
難しかったですが、相手に伝わったときはとても嬉しく、やりがいを感じることができました。
育成の経験を通じて、よりコミュニケーション力が磨かれたと感じています。

※アルバイトで働いていた理由について
私はこれまで、趣味の音楽活動に力を入れており、趣味の時間を確保するため
アルバイト勤務をしていました。職場を2度移っている理由としては、実家の引っ越しや
大学卒業に伴う独り暮らしなどの事情のためです。趣味の活動は一段落したため、
今後は正社員として腰を据えて仕事に専念したいと転職を希望しております。

改善ポイント

  • どのような職場で何を意識して仕事に取り組んでいたのか分かる!
  • 仕事を通してどのような学び、成長をしていたかが分かる!
  • これまでアルバイトで働いていた理由、今後の仕事への意欲が分かる!

大切なのは「今まで」ではなく「これから」!

このように職歴がアルバイト経験のみでも、伝え方によっては正社員経験者にひけを取らない職務経歴書を作成することが可能です。

最後に、職務経歴書を書く上で大切にしたい心構えをお伝えします。それは「自分にはアルバイト経験しかない」という事実をネガティブに捉えすぎないということです。アルバイトといっても、立派に仕事をしていたことには変わりありません。これまでの経験は、何かしらの形で次の仕事に活きるはずです。また、クヨクヨしている気持ちは、選考書類の文章や面接での受け答えに表れます。場合によっては、採用担当者に“後ろ向きな人”という印象を与えかねないでしょう。

大切なのは「今まで」よりも「これから」。職歴がアルバイト経験のみだとしても、どうすれば志望企業に貢献できるか、という視点で書くことを心がけるようにしましょう。

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