既卒の就活。履歴書に何を書くべき?|既卒者が就活する時のポイント!

学校を卒業した後に、フリーターとしてアルバイトに勤しんでいた、資格の勉強をしていた、夢を追っていた、正直ニートだった、などなど、一口に既卒者と言っても状況は様々。そんな既卒者が、就職を目指して活動を始めた際には、分からないことが多いはず。
湧き上がる疑問の中でも、多いのは「履歴書」です。「履歴書って色々種類があるけど、どれを選べばいいの?」「経歴って意外と書き方が分からないぞ」「自己PRと言われても職歴が無いのだけど」などなど…。そこで今回は、既卒者がすぐに使える履歴書テンプレ―トや、経歴・自己PRなどの書き方、既卒者ならではの就職のコツなどをまとめました。疑問を解決すれば、何かと不安な就活にも弾みが付くはずです!ぜひご参考ください!
目次
1.既卒者、履歴書作成のススメ
まずはダウンロード!既卒者向け履歴書テンプレ集。
履歴書と一口に言っても、種類が多すぎて選択に悩みますよね。そこで、既卒者の方にオススメの履歴書テンプレートを2種類、ご紹介します。
「志望動機」を強調するテンプレート
既卒ということで、特に職歴が無いという方も多いと思います。このテンプレは職歴欄を最低限に、志望動機欄を大きく設けたタイプ。さらに自己PRや趣味・特技の欄も充実。職歴以外の強みをアピールできます。
「長所」を強調するテンプレート
職歴欄は最低限のまま、趣味・特技欄を削って長所・短所の欄を大きく設けたタイプ。趣味等についてあまり話したくない方に良いですね。長所・短所は面接でも大抵聞かれるので、書いておくと話のネタになります。
履歴書の書き方!学歴・職歴・志望動機など。
履歴書選びはできたでしょうか?それでは次は、肝心の中身はどう書くか?履歴書のお作法について学びましょう。
学歴・職歴|基本的に、以下の記入例に則れば問題ありません!
学歴のポイント
新卒の就職活動時の履歴書とは違い、高校入学以降の学歴を記載すればOKです。浪人・留学・留年などについては、1~2年程度なら特に触れずとも問題ありません。長期間の場合のみ、学歴欄内に理由を添えておきましょう。
職歴のポイント
「職歴がアルバイトしか無い」というケースは良くあると思います。ですが、アルバイト経験も自己PR欄などでうまくアピールすれば立派な武器になります。職歴欄にもきちんと記入しましょう。
志望動機|採用担当者に「意欲」が伝わる内容に!
既卒者の履歴書で企業が注目するのは、経験より意欲。意欲を伝えるコツは「どの会社でも言えるような内容にしないこと」です。まずは企業HPや求人広告を読み込み、事業や仕事への理解を深めましょう。
「◯◯に魅力を感じた」と伝える際、具体的な内容が書いてあれば「よく調べているな」という印象を与えられます。また「アルバイト経験や資格、趣味を活かせると考えた」と伝える場合にも、説得力が増します。
状況や経験に応じた、自己PRの書き方と例文集。
既卒者の方が、履歴書作成でイチバン悩むのが自己PRではないでしょうか。正社員としての職歴が無いので、何をアピールすべきか分からない。経歴に空白期間があることに、負い目を感じている。皆さんそれぞれに悩みがあると思います。そこで状況別・経験別に自己PR作成のコツと、例文集をまとめました。
ずっとアルバイトとして働いていた
アルバイト経験も書き方次第で有効なPRに成り得ます。ポイントは「どこで、誰に、何を、どのように工夫してきたか」という形を意識して書くこと。仕事内容を分解することで、あなたの能力や志向性が見えてきます。
例文
大学時代、イタリアンレストランで接客をしていました。富裕層の方が多いお店だったので、挨拶や言葉づかいなどに関して高いレベルが求められました。また、食へのこだわりが強いお客様に喜んでいただくため、料理やワインについて自主的に勉強。お客様にメニューのご案内をする際、驚きの声を頂くことがやりがいでした。培った接客スキルや、業務知識を学ぶ姿勢を活かし、貴社の営業として顧客満足度を追求したいです。
Point
飲食店の接客経験を「接客スキル」「業務知識習得への積極性」といった能力・志向性に分解している。
Point
分解した能力を、応募する企業や職種(この例文の場合は、営業)にどう活かすかを書いている。
仕事以外の何かに打ち込んでいた
たとえば資格の取得を目指し、勉強に励んでいた。漫画家やミュージシャンなど、夢を追いかけていたといったケース。これらの経験も、やはり書き方次第。どう能力・志向性に転化するかを意識しましょう。
例文1
公務員資格の取得を目指し、専門学校に通っていました。財政学や経営学といった科目について勉強する内に、企業の経営や会計について興味が湧きました。貴社の経理職を志望したのは、経営者の方々と近い距離感で働ける点に魅力を感じたためです。ゆくゆくは経理として、経営に携われるのではと考えました。
Point
資格の勉強で学んだことを、企業・職種への興味・関心という志向性の話にまで分解している。
例文2
プロのミュージシャンを目指して音楽活動をしていました。2年間で3枚のアルバムを制作。レコーディング・スタジオの手配や、ライブハウスを回っての営業活動など地道な業務をやり遂げ1000枚を売り上げました。目標に向けて地道に歩みを進める力を活かし、貴社においても一刻も早い成長を遂げたいと思います。
Point
一見、仕事には結びつかない様な経験を“目標を達成する力”という汎用性の高い能力に分解している。
空白期間、特に何もしていなかった
悲観的になる必要はありません。まずは空白期間があることについて、読み手に納得してもらえるような説明をしましょう。その上で、なぜ今あらためて就職活動に臨んでいるのかをアピールしましょう。
例文
大学時代は社会学部で、マスコミについて研究するゼミに所属していました。ゼミの研究と就職活動の両立が難しく、一旦研究に専念しようと就職活動を中断しました。結果として納得のいく卒論を仕上げることができましたので後悔はしていません。一方で新入社員として働く友人達の姿に、自分も学業と就職活動を両立できたのではないかと反省もしております。同年代の皆に追いつきたいとの思いから、一念発起しました。
Point
空白期間の理由と、反省した点について率直に説明。再スタートへの意欲に転化している。
2.既卒者が就活する際のコツを伝授!
既卒者の採用状況は決して悪くない
既卒者は、なんとなく就活において不利なのではと考える人が多ですが、実は多くの企業が既卒者の採用に積極的なのです。
厚労省の要請で、既卒者と新卒者の垣根が低くなっている
実は厚労省から「卒業後3年以内の既卒者は、新卒と同じように選考・採用を行なうように」とお達しが出ているのです。具体的には、「青少年の雇用の促進等に関する法律」内に、
- 学校等の卒業者が卒業後少なくとも三年間は応募できるものとすること。
- いわゆるフリーター等についても、その選考に当たっては、その有する適性、能力等を正当に評価するとともに、応募時点における職業経験のみならず、留学経験やボランティア活動の実績等を考慮するなど、その将来性も含めて長期的な視点に立って判断することが望ましいこと。
と明示されています。結果、社員1000名以上の大企業なども既卒者を新卒枠で採用するなど、追い風が吹いています。
(参考)厚生労働省HP
市場に求人が増加、多くの企業が人材不足に悩んでいる
好景気の影響で、転職市場はかつて無いほどの売り手市場。有効求人倍率なども高度経済成長期並みの水準です。企業同士で人材の奪い合いが生じ、新卒採用だけでは必要な人数の社員を確保できないといった事態が起きています。そうした企業が次に狙うのが、既卒者・第二新卒者なのです。
既卒者がアピールすべきポイントとは
企業が既卒者に求めるのは意欲です。その判断基準は「事業内容や、仕事内容について、理解を深めているかどうか」です。自己PRなどでは、この点について詳しく書くようにしましょう。
また、アルバイト経験や仕事以外に取り組んだこと、空白期間の説明なども、分解することで能力や志向性といったアピールになることを説明しました。その上で、より強く企業へアピールするコツは以下の通り。
自身の能力・志向性と、応募する仕事内容の共通点を見つけよ
たとえば営業職に求められるのは、顧客に対応する力や、扱う商材・サービスについて学習する力です。自身の経験を元にPRを作成する際は、こうした職種ごとに求められる能力・志向性について説明しましょう。
もし職種にピッタリ当てはまる能力・志向性が見つからずとも大丈夫。たとえば「目標達成のために行動できる力」などは、職種を問わず求められるモノ。応募する職種において、何を頑張るべきなのかを押さえれば、汎用性の高いアピールポイントに成り得ます。
既卒者の就活方法
思い立ったら、動き出しは早く
前述したように、現在の転職市場は売り手市場。求人があふれ、求職者にとっては有利な状況です。一方で、2020年を境に景気が落ち着くとの予想も。この状況がいつまでも続くとは限りません。また賛否はありますが、やはり年齢的に若い方が有利という現実もあります。既卒者の就活は時間がかかることもあります。そのため、もし動くと決めた場合は、情報収集などを早めに始めることをお薦めします。
転職サイトなどで、求人を探してみる
既卒からの就活に腰が重くなる理由は、やはりどこかで「今更、就職は無理なのでは」という不安が拭えないからでは。まずは転職サイトで求人を探してみましょう。多くの企業が未経験者や既卒者、第二新卒者を歓迎していることが分かると思います。チャンスは少なくないことを、知ってください。
自分が少しでも有利になる求人を選ぶ
自己PRの書き方について「自身の能力・志向性と応募する仕事内容の共通点を見つける」ことが大事だと述べました。裏を返せば「共通点の多い職種の方が、就活を有利に進められる」とも言えます。これは小手先の話ではありません。能力・志向性との共通点が多い職種の方が、実際に適性がある可能性は高いです。
また、人材紹介などのサービスを利用し転職エージェントのアドバイスを得るのも手です。多くは無料で利用できます。あなたに適した求人や、履歴書の書き方などについて実践的な助言をしてくれます。
以上です。あなたの転職活動の成功を、願っております。