「履歴書在中」記載は必須?|履歴書を郵送するときの封筒の書き方
転職サイトを活用した転職活動が一般的になった昨今。サイトに入会するときに履歴書・職務経歴書を記載して、Web上で応募をして…と、Web上でのやりとりで完結することが多くなりました。でも一方で、応募後に履歴書の郵送を依頼する企業もまだまだあります。
「履歴書在中」と書くんだっけ?100円ショップに売っている「履歴書在中」のスタンプを使ってもいいの?手書きじゃなきゃダメ?などなど、いざ履歴書を郵送する際に、封筒に何をどのように書けばいいのかは、意外と知られていません。今回は、履歴書を郵送するときの封筒への書き方・ルールをご紹介。必要な場面に遭遇したらすぐに活用できるよう、ぜひ参考にしてみてください。
目次
1.なぜ「履歴書在中」が必要なのか
「履歴書在中」と書くことの効果
履歴書を入れる封筒の書き方の中で、特に大切なのが「履歴書在中」の文言です。これ、何で必要なの?そんなに大切なの?と思うかもしれません。「履歴書在中」の記載が必要な理由、それはせっかく郵送した履歴書が、ちゃんと採用担当者の手元に届くようにするためです。
企業には、毎日多くの郵便物が届きます。それらは、総務部などの窓口となる方が受け取り、「採用関連なら人事部へ」と仕分けしていくことが多いです。その仕分けの際に、他の書類に埋もれてしまうことを防ぐために「履歴書在中」の記載が必要なのです。
「履歴書在中」と書かれている封筒は、中に履歴書が入っているのが明白。仕分け先を間違えるリスクがグッと減ります。もしも他の部署に回ってしまったとしても、人事宛の郵便物であることは封筒で分かるので、しかるべく場所へ届けられることになるでしょう。「履歴書在中」と書かれていなかったら、人事部の手元に届くのが遅くなるばかりではなく、最悪のケースではウッカリ破棄されてしまう可能性もあります。
また、「履歴書在中」と書かれていることで、開封時に履歴書に傷をつけてしまうリスクも回避できます。開封の際は、ハサミかカッターなどを使うはず。中身が履歴書だと分かっていれば、慎重に開封するでしょう。採用担当者に注意を促す働きも「履歴書在中」の表記にはあるのです。
2 .履歴書を郵送する場合の基本
履歴書を入れる封筒に書くべき内容は?
「履歴書在中」の必要性のあとは、具体的な封筒の書き方についてご紹介します。まずは、下記の封筒の記載例をご覧ください。
封筒に記載する内容は3つです。
封筒に記載する内容は「住所」「宛先」「履歴書在中」の3つです。
記載例の「宛先」は「人事部 星野」という個人宛になっているので「様」で表記。これがもしも「人事部」などの部署宛の場合は「御中」と表記してください。
油性のサインペンで記入することをオススメします。
記入の際は、「住所」「宛先」は黒色、「履歴書在中」は赤色と色を使い分けましょう。ペンを使用する際は、油性のサインペンの使用をオススメします。水性ペンで書いてしまうと、書いている途中に滲んでしまったり、配達中に文字がかすれたりするためです。
職務経歴書を同封する場合は「応募書類在中」
「履歴書」だけでなく、「職務経歴書」も郵送を依頼される場合があります。その際は「履歴書在中」ではなく、「応募書類在中」と書くことがベターです。採用担当者は封筒をひと目見て「履歴書・職経歴書が同封されている」と認識することができます。もしも「履歴書在中」と書いて送ってしまったとしても、それ自体が採用上の評価でマイナスポイントとなることはほとんどありませんので、ご心配しなくても大丈夫です。
「履歴書在中」と記載する位置は?
前述の封筒の記載例にあるように、「履歴書在中」は封筒の左下に記載しましょう。宛名に書ける内容は決まっており、それに「履歴書在中」は含まれていないためです。
履歴書を入れる封筒の種類は?
履歴書・応募書類を郵送する際は「A4・白」の封筒を使うことをオススメします。
まず「A4」サイズの封筒についてです。市販されている履歴書は、A3サイズの2つ折。2つ折にしたときにA4サイズの大きさとなります。A4よりも小さな封筒を使ってしまうと、履歴書をさらに小さく折ることになり、折り目だらけに。採用担当者が見たときに、いい印象を与えません。A4サイズの封筒を使うことは必須と言えます。
そして「白」の封筒についてです。理由は2つあります。まずは「他の封筒と紛れにくいこと」。世の中に出回る封筒の多くは茶封筒です。それらと混ざったときに認識してもらいやすくする、という意味でも白封筒が有効です。2つ目は「昔は、茶封筒よりも白封筒が好まれていたこと」。今では、茶色だからダメ、という一般認識はなくなってきました。ですが、昔のマナーでは「茶封筒は白封筒よりも破れやすい」「白封筒のほうがキチンとして見える」などのイメージによって、白封筒が好まれていました。その考えが完全になくなったとは言い切れないため、白封筒のほうが安心と言えそうです。
「履歴書在中」の記載はスタンプでもOK?
「履歴書在中」の書き方として、「手書きでなければいけない」という決まりはありません。なので、100円ショップで売っているような「履歴書在中」のスタンプを使ってもOKです。履歴書を郵送する機会が多くある方は、スタンプを購入しておくと便利かもしれません。また、「履歴書在中」と印刷された封筒が小売店で販売されていますが、こちらを使うのももちろん大丈夫です。
もしも手書きで「履歴書在中」と記入する場合は、油性の赤ペンと定規を使用しましょう。定規を使わずに「履歴書在中」を囲う線を手書きすると、どうしても曲がってしまいます。見栄えがよくなければ、採用担当者にいい印象を与えない可能性もあります。手書きの場合は、定規を使ってまっすぐの線で四角く囲う。これを覚えておいてください。
履歴書は折っても大丈夫?
履歴書は、購入したままの状態(二つ折りの状態)で封筒に入れるのがマナー。理由は、採用担当者が扱いやすいため。変に折り目がついていると履歴書が読みにくくなる他、破れてしまう危険もあります。また、折り目が邪魔になってしまうため、いちいち綺麗に広げなければならないという難点も。1日に何通も履歴書を確認する採用担当者の場合、相当の手間になってしまいます。
小さく折ると送料は安くなりますが、採用担当者に配慮して「二つ折り」のままで送るのが得策です。
クリアファイルは使うべき?
書類が採用担当者の手元に届くまでに折れてしまったり、曲がったりしてしまったりすることを防ぐためにも、書類はまとめてクリアファイルに挟んでから封筒に入れると良いでしょう。クリアファイルは配達時に書類を守るだけでなく、採用担当者が書類を管理しやすくなるというメリットもあります。特に履歴書や職務経歴書など複数の書類を送付する際は、他の応募者の書類と混じってしまうことを防ぐためにもクリアファイルを活用しましょう。クリアファイルは外からでも何の書類が入っているのかが見える透明のものがオススメです。
履歴書は何番目?郵送する際の書類の重ね方
封筒に書類を入れる際、順番もきちんと考えて重ねることが大切です。書類の重ね方は以下の順番を参考にしてください。
- 送付状(添え状)
- 履歴書
- 職務経歴書
- その他の応募書類(ある場合でOK)
まず採用担当者が封筒を開封した時に、ひと目で何の書類が、何の目的で送られているのか理解できるよう、送付状(添え状)を先頭にします。送付状は履歴書や職務経歴書を郵送する際に、簡単な挨拶文を記載して同封する書類。必ず添えなければならないものではありませんが、ビジネスマナーとして添えたほうが懸命です。送付状の下に履歴書・職務経歴書を重ね、その他企業から提出を求められた書類などがあれば一番後ろに入れましょう。
〆マークの記載は必要?
“封字”と呼ばれる〆マークは、封筒が未開封であることを示す大切なもの。配達途中で封筒が開封されることを防ぐ役割もあります。簡単に書けるものなので、必須ではありませんができるだけ記載するようにしましょう。〆マークを書く場所は、封筒を糊付けし閉じた部分。封筒の中央に記載します。〆マークは記号のバツ「×」や、カタカナの「メ」に見えないように記載しましょう。無理に一画で書こうとせず、二画に分けると書きやすいですよ。
3 .履歴書を郵送する際のその他の注意点
ポストへの投函・郵便局の窓口のどちらがオススメ?
ポストへの投函ではなく、郵便局の窓口に郵送を依頼することをオススメします。郵便物は重さによって料金が変わりますから、窓口で重さを量り、正確な金額の切手を購入したほうが、安全だからです。もしもポストへ投函して、切手が足りなければ郵便物が家に戻ってくることに。転職活動において、応募書類の企業への到着が遅れることは好ましくありません。もしも送り先企業に届いたとしても、その場合は募集企業が不足分の金額を支払うことになります。また、「送り先企業への到着予定日」も窓口の方に聞くことができるため、この点でも安心。ぜひ、お近くの郵便局での郵送の手続きをしてください。
切手を使う時の注意点
自分で切手を用意して郵送する場合、切手の種類や枚数などに注意しましょう。まず企業に書類を送付する際は、通年発行されている「普通切手」を使うことが好ましいです。ある出来事やイベントを記念して発行される「記念切手」はなるべく避けるようにしましょう。
また封筒の見た目の印象が悪くなる恐れがあるため、切手は複数枚貼らず、郵送料金と同額の切手を1枚貼ることをオススメします。多すぎず、少なすぎず、必要な金額分を貼るようにしましょう。書類は郵便局の窓口で重さを測っていただき、正確な料金を確認するのが安全です。
履歴書をメール便で送るのはNG
履歴書は、郵送法という法律で「信書」に定められている書類です。そのため、メール便や宅配便で送ってはいけません。
「信書」とは、「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」のこと(郵便法第4条第2項)。手紙やダイレクトメールなど、特定の受取人に向けて意志表示や事実の通知をしているもの全般を指します。信書は、日本郵便株グループもしくは総務大臣に許可を得た信書便事業者のみが配達できるもの。そのためメール便などで送ってしまうと、最高で懲役3年または罰金300万円が科せられてしまうのです。知らぬ間に法律違反を犯してしまわぬよう、必ず郵送するようにしましょう。