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エンジニアもプレゼン入門! LT(ライトニングトーク)のテーマ選びから、スライドの作り方まで

LT(ライトニングトーク)は、 カンファレンスなどで実施される短時間のプレゼンテーション。エンジニアにも避けて通れないプレゼンの経験を積むには絶好の機会です。LTに挑戦したい若手エンジニアに、気をつけるべきポイントをお伝えします。

エンジニアとして仕事をするときにも避けて通れないのがプレゼンテーション。ディレクターや営業などの他職種のメンバーに対して技術側から説明すべき場面や、提案をしたい場面で必要になるでしょう。技術力を高めるだけでなく、新人のうちにプレゼンテーションにも慣れて苦手意識をなくしたいところ。

しかしながら、業務中に自分からプレゼンテーションの機会を作るのは難しいでしょう。そこで、LT(ライトニングトーク)をうまく活用することをおすすめします。

今回はLTに挑戦する際に気をつけると良いポイントをお伝えします。LT以外のプレゼンテーションに共通することも多いので、皆様のプレゼンテーションのお役に立てたら幸いです。

LTとは

LTとは、ライトニングトーク(Lightning Talks)の略で、 カンファレンスやフォーラム、勉強会などで開催される短時間プレゼンテーションのことです。持ち時間は5分、プレゼンテーション時間も1〜2分程度と短いのが特徴。プレゼンテーションの経験値を積むには絶好の機会です。

LT参加者は、カンファレンスなどの参加者募集時に、聴講だけの参加者とは枠が別に用意されている場合も多くあります。

発表までの流れ

LTをしようと思ったら、どんな準備をすれば良いのでしょうか。考えるべき項目は時系列で次のようになります。

  1. テーマと発表場所を決める
  2. 伝えたい情報を固める
  3. スライドを作成する
  4. 発表の練習をする
  5. 発表する

順に説明します。

1. テーマと発表場所を決める

1-1. テーマ選び

まずは自分がどんな内容を発表できるのか、テーマを考えることから始めましょう。プレゼンテーションを聞いた人に何か1つでも役に立つ、あるいは役に立つかもしれない内容を伝えられたら良いのです。

新しい手法や解決方法を何か見つけられたのなら文句なし。「トライしたけどうまくいかなかった」「こういう場合にこういうトラブルが起きた」という知見の共有も良いでしょう。あなたのLTが、誰かの課題解決の手助けになるかもしれません。

テーマ選びに困った方は、Sacha Greif(@SachaGreif)氏のブログのエントリにあった「What to Write About」という記事が役に立つかもしれません。以下のように記載されていました(注記、2017年2月7日現在、元のブログは消えてしまっているため、技術評論社のまとめを参考にしています)

  • エキスパートとして書く――自分が熟達している題材について書くのは難しくない(でも読者に関係ありそうなものがよい)
  • 初心者として書く――知らないことについて初心者が学ぶという視点で書いてみる(⁠「どうやって6ヵ月でRailsを学んだか」みたいな)
  • 競争相手について書く――競合のプロダクトをレビューしてみるという視点もおもしろい(ただしフェアに)
  • プロセスについて書く――製品の開発やリリースの過程について書いてみる
  • 失敗について書く――失敗に関する記事はとても広まりやすい
  • お金について書く――製品の値付けや何にお金を使ったかといった内容は興味を惹く
  • データについて書く――自分の主張に確固たる裏付けがあるのならそれについて書いてみよう

この7つの観点を意識しながら、以下のような切り口で考えてみるのはいかがでしょうか。

今、一番関わっている技術、分野、テーマは何か

仕事や趣味で取り組んでいる内容であれば、最新情報を提供できたり聴衆と同じ目線でネタが考えられたりするかもしれません。

いろいろな課題・問題に遭遇し、解決するのに困ったことは何か

新しい技術であればあるほど知見が少なく、不具合に遭遇する可能性があります。自分で試行錯誤しながらうまくいかないパターン、うまくいったパターンなど、おのずからノウハウを手に入れているかもしれません。それは、他の人にとっても貴重な情報になり得ます。「無駄かも」と思わず、他の人にも共有していきましょう。

1-2. 発表場所選び

テーマが決まったら、その内容に適した発表の場所を探します。最初は社内勉強会で経験値を積み、自信がついてきたら外部のカンファレンスやフォーラム、勉強会で発表していくのも良いでしょう。

どこで開催されるどんな分野のLTが発表者を募集しているのか、普段からATNDdots.Doorkeeperconnpassなどのイベント告知サービスでチェック。発表場所を先に見つけてから、その場に適したテーマを考えるのも手です。

2. 伝えたい情報をしっかりと固める

次に、LTでどんな情報を伝えたいのかを具体的に考えます。

伝えたいことをしっかりと固め、それを伝えるために必要な情報は何なのかを考え、発表の流れを組み立てていきます。発表の中で必ず伝えたい内容をピックアップしてみましょう。

いろいろと伝えたい内容はあるかもしれませんが、目的は一番伝えたい内容が聞いている人に伝わること。話の流れを無視して、自分の知識を無秩序に並べるとかえって伝わりづらくなってしまいます。「自分が何も知らない状態で聞いたらどう思うのか」を常に意識していれば、的外れな内容になりません。

3. スライドを作成するときに気をつけたい9つのこと

頭の中にストーリーができあがったら、スライドを作成しましょう。気をつけたい項目をいくつか挙げてみます。

  • 詰め込みすぎない
  • 余分な情報を付けない
  • デザインもある程度意識する
  • スライドの枚数を考える
  • 共通認識されている用語を使う
  • 誤字脱字をなくす
  • 図・素材の著作権を意識する
  • 文字サイズは24pt以上がオススメ
  • ネタはほどほどに

順に説明していきます。

3-1. 詰め込みすぎない

スライドに内容・文字を詰め込みすぎず、伝えたいことをシンプルにまとめます。特に文章を入れるときは注意。文字がずらっと書いてあると、ぱっと見て内容が理解しづらくなります。

必要なキーワードをしっかりと記載し、箇条書きなどで視覚的にも分かりやすいまとめ方をしましょう。

例えば、このスライドでは発表時にしゃべる内容がそのまま文字に起こされており、1枚あたりの文字数が多くなっています。

これを、不要な言い回しをなくして整理することにより、すっきりとした見やすいスライドになります。

3-2. 余分な情報を付けない

スライドに記載するのは口頭で説明をする内容と、その補足程度に留めたほうが無難です。

発表しない内容をスライドに記載すると、口頭説明とスライド内容の関係性を、聞いている側が考えないといけないうえ、読むべき文字数が増えます。必要な情報をできるだけ頭に入れてもらうためにも、余計な情報は思い切って省きましょう

意味のない文字の装飾(大きさや色)や、記号は付け加えないようにするのがベターです。スライドにおいて、文字の大きさや色は意味を持つものです。強調したいときや、他との差を表現したいときにのみ利用しましょう。

ただし、説明に使うデータの出典元など必要な情報はスライドに残しておきましょう。

3-3. デザインもある程度意識する

文字や画像の位置がガタガタとずれていたり、すべてが左寄せであったりすると、見にくい・読みにくいスライドになってしまい、急いで適当に作ったかのような印象を与えかねません。デザインを効果的に利用すると、スライドを見た際のストレスが減ります。

ノンデザイナーズ・デザインブック』では、デザイナー以外の初心者がデザインで気をつけるべき要素がまとまっており、デザインにおいては「4つの基本原則」があると述べられています。

近接
関連する要素を近くに配置してまとめる
整列
ページ上のすべてのものは、意識的にきちんと整列させて配置する
反復
繰り返しを利用し、ページ全体で一貫性をだす
コントラスト
メリハリや味付けをつけ、はっきりと要素の違いを表現することにより読者の目を引き込む

参照:ノンデザイナーズ・デザインブック

デザインするときに、この4原則をいかに意識できるか、取り込むことができるかが重要になってきます。一度読んでみるとスライド作成時だけでなく、日常の「デザイン」に関わるときに役に立つかもしれません。

スライドのデザインの参考になるスライド資料

こちらのスライドでは、先ほど説明した『ノンデザイナーズ・デザインブック』の具体例が解説されています。

他にも、以下のスライドで、プレゼンテーション向けのデザインノウハウがまとめられています。

推奨フォントサイズから配色、スライド構成まで、初心者が押さえておきたい内容を一通り網羅しているスライドです。『一生使える 見やすい資料のデザイン入門』として書籍化もされました。

残念なプレゼンテーションにありがちな「5つの間違いポイント」をビジュアルで解説しています。自分のスライドと照らし合わせるのも良いでしょう。海外で作成されたスライドの邦訳版のため、フォント例がアルファベットで、参考文献やソースも英語が中心です。

3-4. スライドの枚数を考える

一般的なプレゼンテーションでは、発表時間とスライドの枚数は1分1枚程度と言われています。

一方で、フラッシュプレゼンテーションと呼ばれる手法もあります。1枚の情報量を減らし、大量のスライドをどんどんページ送りする方法です。

自分の発表スタイルや、そのとき発表する内容に応じて、一番伝えやすい枚数を考えてみましょう。

3-5. 共通認識されている用語を使う

社内用語や、専門的すぎる用語など、一部の人しか分からない言葉を使うのは不親切です。発表時には、一般的に共通認識されているものを用いましょう。

図も同様です。ネットワーク図ではデータベースを円柱で示すように、汎用的に使われている図を用いると理解しやすくなります。

同様に、図形そのものが意味を持つ場合もあります。例えば、PowerPointの「図形」機能にあるフローチャートの要素。これらの意味を理解して使っているでしょうか?

フローチャートの図にはそれぞれ意味があります。意識したことがなかった方は、一度フローチャートの書き方を調べてみましょう。

特にLTの場合は、1スライドあたりの表示時間が短くなりがちです。時間の都合で説明を十分にできない場合も多いので、聴衆に誤解を与えないようにしましょう。

3-6. 誤字脱字をなくす

誤字脱字はゼロにしましょう。スライド内容に誤字脱字があると「発表の内容にも間違いがあるのではないか?」と不信感を持たれかねません。

3-7. 図・素材の著作権を意識する

図や写真を利用する際には著作権を意識しましょう。クレジット表記が必要な素材であれば、必ずクレジット表記を追加します。

出典を明記したイラスト使用例

データを用いる際にも、出典をきちんと明記しましょう。

3-8. 文字サイズは24pt以上がオススメ

プレゼンテーションを聞いている側は、スライドを自身のペースで確認できません。字が多くて読み終わらなかったり、席が遠くて読みにくいからといって、その場でページを戻すことはできません。聞く側の読みやすさを重視し、文字サイズは大きめを意識しましょう。

適切な文字サイズの定義はできませんが、24pt以上の文字サイズを推奨する説明・資料が多いです。フォントや、スライドのデザインによっても調整が必要になるので、会場の大きさを調べつつ、文字の大きさを適宜調整しましょう。

3-9. ネタはほどほどに

聞き手を惹きつけるためには、プレゼンテーションにネタを仕込むこともテクニックの1つ。しかし使いすぎは禁物です。面白い部分を用意しつつも、伝えたい内容も記憶に残るようなメッセージ性のある伝え方をしましょう。

ネタを考える際にも、一部の人しか理解のできないマニアックすぎるアニメや漫画のネタを使うのではなく、誰もが分かり聴衆が一体となって面白さを共有できるものを考えてみましょう。ネタは刺し身のたんぽぽ的な存在であり、主役ではないのです。

4. 発表の練習をする

スライドが用意できたら、発表時間を再確認しておきましょう。

発表時間をオーバーすると、その時点で発表が強制終了される場合も多いです。聞いている人には「話が途中で終わってしまったけど、時間調整も準備できていないのか?」と悪印象を与えてしまう可能性もあります。

逆に、発表中に無言になってしまわないよう、最低限の練習はしておくべきでしょう。発表の準備として押さえておくべき項目をあげておきます。

  • 自分が話す内容を理解しているか再確認
    自分自身の理解が曖昧なまま説明していたら、発表もおのずと意味不明になってしまう
  • 時間配分を把握する。発表時間を守ることは、最低限のマナー
  • 非表示スライドで想定質問を用意する
    質疑応答がある場合、説明に使える素材を非表示スライドとして用意しておくと良い
  • 発表資料は、PCとオンラインストレージなどに複数準備しておく
    スライドが開けない場合や、PCが故障した場合にも対応できるよう、スライド版とPDF版をローカル・オンライン複数箇所に用意しておき、スライドが開けないときは適宜PDFを使って発表を進める

事前に誰かに発表を聞いてもらい、フィードバックをもらうのも良いでしょう。

5. 発表する

スライドの準備、練習がしっかりできていれば、自信を持って発表するのみ。

聴衆はわざわざ会場に足を運び、自身の時間を割いてあなたの発表を聞いています。スライドに書いてある文字をそのまま読み上げるだけでは、聞きに来た価値は感じられません。発表時には口頭で補足をし、内容を噛み砕き、より分かりやすい情報を伝えるよう心がけましょう。

少し余裕があれば、聞いている人たちの顔色にも注目してください。伝わっていなさそうであれば、時間が許す範囲内で丁寧に伝えたり、理解しているようであれば追加情報を与えたり……同じ場所・時間を共有している利点を生かしましょう。

あとは時間配分を意識し、練習の成果を発揮してください。

おわりに

発表の仕方に正解はなく、それぞれ自分のやりやすいスタイルがきっとあるはずです。まずは自分に合うスタイルを見つけましょう。

何回か登壇して、自分流のスタイルが見えてくると、自信も持てるようになり、さらにプレゼンテーションのスキルは上達するはず。考えているだけでは上達しないので、機会があれば積極的にプレゼンテーションを行っていきましょう。

執筆者

池田健人(いけだ・けんと) @ikenyal

id:ikenyal
サーバサイドエンジニア。学生時代に研究室や学部の各種サーバ・ネットワーク構築などを経験し、プログラミング以外の技術も学ぶ。2011年に某Web系IT企業に入社。エンジニア職でありつつも、校正スキルには自信あり。現在はリーダーとしてマネジメントスキルを習得中。

イラスト素材:いらすとや