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不良品、ではありません。私たちが、お客様へ最初に補聴器をお渡しするとき。その補聴器は、お客様の耳に最適な「聞こえ」を提供できる状態ではないのです。

人は、脳で無意識のうちに「必要な音」と「不要な雑音」を判別します。補聴器をつけ始めた頃は、脳でこれらの判別が上手くできないことも。不要な雑音が大きく聞こえ、その不快さから補聴器を使わなくなる方さえ、珍しくないのです。

だから当社では、購入時に補聴器の増幅度はあえて低めに。
その後の3ヶ月間、2週間に1度はお客様とお会いします。

多くの会話を交わし、どれだけ音や言葉が聞き取れているか、ハウリングや聞こえにくい音はないか、一つひとつ確かめる。その声をもとに、専用のソフトウェアで各種のパラメーターに繊細な調整を加えていく。あなたとお客様との対話の中で、補聴器は完成するのです。

いえ、それでもまだ完成ではないかもしれません。難聴の症状は一定ではなく、その時々の状況に合わせ調整が必要。お客様との関係は、あなたが手渡した補聴器をお使いいただく限り、続くのです。