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かつて『体操王国』と称された日本男子。団体総合では、モントリオールの大会まで5連覇を成し遂げた。以来、2004年のアテネまで金メダルには手が届かなかった。7大会ぶりの金メダルを目指した日本男子団体は、ついにアテネの地で栄光をつかむときを迎えた。

5種目を終えた時点で、僅差の2位。最終種目は鉄棒。日本チーム最後の選手が挑む演技。会場が静まる中、力強く描かれた弧。見つめる観客、コーチそしてチームメイト。勝利への熱い気持ちが画面越しに伝わってくる。演技が中盤にさしかかった、そのとき。バーを手放し、後方抱え込み2回宙返り、1回ひねり。最高難易度スーパーEの“はなれ技”だ。

成功した瞬間、会場が大きくどよめいた。最後、着地は新月面宙返り。飛び上がるチームメイト、抱き合うコーチ、国旗を振る観客・・・。金メダルを手にした最高のシーンがカメラにおさまった。―――人々の記憶に残るスポーツの名場面。その一瞬の感動を日本中、そして世界の視聴者に伝えることが最高の喜びなんだ。