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社長の姿を見つけると、すぐさま誰かが近寄ってくる。
それが、紀志商事の社内風景の一コマ。

この日も、元店長、今は管理部門を任されている篠宮が社長の元へやってきた。
話題は、もうすぐオープン予定の店舗について。
これまで、『牛角』の関西FC１号店などを導入し、FC展開を成功させてきた当社。
次なる新店は京都で3店舗目となる『土間土間』。
既存店の好調さに後押しされ、出店することになった。
それだけに、篠宮の意気込みもひとしおだ。

社長だからと言って、物怖じする必要なんかない。率直な意見を投じた者勝ちなのだ。
そんなスタッフたちによる、社長に対する図々しいまでの前向きな姿勢が、
今日の紀志商事の成長を支えていると言えるだろう。

「彼らとだったら、できるはず！」
そう確信する社長の辻は、次の展開に駒を進めている。
それは、世代の変化を捉えた新規事業を立ち上げること。
ただのフード業界、いち店長で終りたくない人にこそ、全員が経営を担う、
紀志商事流フードビジネスを伝授していきたい。