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電化製品は電源がショートしたり、温度コントローラーが故障したときなどに発火する恐れがあります。こうした万が一のときに、事故を未然に防ぐのが「温度ヒューズ」です。数センチの箱の中には低融点合金が収められており、機器が融点に達した際に合金が溶融・球状化することで回路を遮断するしくみ。目にすることはほとんどありませんが、電化製品には必ず取り付けられているといっても過言ではありません。実は至るところで人々を事故から守っている部品なのです。

動作原理の核となるのが可溶合金。この合金を取り巻き昨今、新製品開発が活発化しています。2006年7月、EUは電子機器における有害金属の使用を制限する環境規制を施行。可溶合金の主な組成金属であったPbやCdが規制の対象となりました。そこで代替金属を用いた新しい可溶合金の開発が急務となっています。埋め立てても安心な、地球環境にやさしい次世代の温度ヒューズを開発する―。これが私たちの新たな目標。あなたの金属知識が、新製品を生み出す起爆剤となります。