川上機工株式会社

事業の強み：
おそらく新規事業参入はないであろう、新聞折込丁合機、新聞包装機といったニッチな設計から製造・販売まで行い、メンテナンスまで含め全て自社で行っていること。また代理店ではあるがBTシステムという特許所得のオンリーワン除染装置を扱っており、消防本部・警察には独占販売出来る為、営業は必要だが買っていただくとなれば競合の心配が少ない。

事業の弱み：
歴史のある新聞業界向け省力機器の製造・販売であるが、新聞業界がまず未来のない事、そしてライバル社が2社存在し、いずれも当社より規模・シェアとも大きく、その2社が持てる資産とマンパワーでもって残り少ないパイを奪いにかかっている。そのため一番シェア拡大をしなければならない業界3位の当社は、毎年他社に顧客を取られている。BTシステムは強いが代理店であって自社製品でないところは不安要素

事業展望：
幸い、コロナ禍でBTの需要が大幅に伸び、これによって救われているが、そこに安住しない程度の見識は持っている。というのもメインの販売先である消防本部販売先が早くも頭打ちの兆しが見えているからである。現場レベルで次の行動を起こしている部署もあるが、日々の仕事に追われ、自分の定年退職まで持てばいいや、という考え方の社員も多いように思う。経営者はさすがに危機感を持っているが、確たる長期ビジョンはまだ模索中である。

働きがい：
自分で立案した計画がうまく行き、成果となった時。その成果により顧客から感謝された時。感謝していただいた顧客と長いお付き合いへとつながった時。そして上司や先輩から仕事を任され、確実に経験を積みそれが活かされ認められた時。その経験を部下や後輩に伝え、やがて自分の後を引き継いだ時。これらによって会社というファミリーに貢献できたことを実感できた時

福利厚生：
退職金、住宅補助（手当）、出張時（単身赴任）の寮及び家具完備。独身者向けの寮といったものはない。財形貯蓄、社員持ち株制度、ストックオプションなし。特徴的なものとして、コロナ禍で中止及び延期となっているが2年に1回、個人積立1に対し会社負担2の予算割合で社員旅行がある。日程は5日程度。行先は社員から選抜された委員が決める。

オフィス環境：
営業社員は各営業所が執務室であって、机が並んでいるだけである。日報や報告事項、会議などはwebで入力するので会社が各個人に貸与しているPCで朝夕入力作業を行うが、それ以外の多くは外に出ているので、居住環境はあまり重視していない。狭い広い陽当り良い悪いなどはあるが、さすがに未だ和式便所というような古いところはない。営業車の駐車場を確保することが最優先な為、駅近くという営業所は少ない。

給与制度：
年齢給、全体的な昇給（ベースアップ）、及び昇格昇級に伴う昇給がある。賞与は年二回、営業職は給与内に含まれる営業手当とは別にインセンティブが夏と冬の賞与の間に二回支給される。各種手当は扶養手当の他家族手当、住宅手当、特徴なものとしては首都圏在住者への地域手当（住宅物価の差を埋めるため）がある。また、出張手当、単身赴任者には帰省手当、異動に伴う引越には全額に近い（50万）補助が出る。

評価制度：
会社の経営理念に沿った行動が出来、それが周りに影響を与え、正しく後輩・部下に伝えられる人は、営業成績とは無関係に評価され昇進昇格していき、人の上に立つ役職を与えられて責任も持たされる。それとは別に、人の上に立つのは不得意だが仕事に対してはプロフェッショナル意識を持ち、顧客と会社と仲間に高い貢献を与えられる人は、役職ではなく等級制度で評価される。

事業の強み：
10年ほど前から正規代理店として販売している、オゾンガスによる消臭・除染商品が奈良県医科大学の実験結果で新型コロナウィルスに効果があると証明され、消防始め県警、地方自治体の問い合わせからの導入実績が2020年より増え続けている。メーカーは、大手メーカーとの包括的協業を組んだり、医療への新商品に力を入れたりとこれから先も強い味方でいてくれると感じる。

事業の弱み：
勿論現在では新聞販売業中心の状況となっている為このまま他の事業にも働きかけが出来ないと衰退していく可能性がある。
また、営業・メンテ・修理をエリア担当が一人で掛持ちする為各項目ごとに担当しているライバルメーカーには劣ってしまう部分もある。
エリアによっては、毎月の定額費用が頂ける保守契約をあまり結べていないところもあるので、機械が売れないとその年の売上実績がガクンと下がる場合もある。